背中

破れたる君の背中を縫ひにけり i was sewing your broken back in the dream 少しく体調不良の朝、こんな夢を見た。

春 復帰宣言

唇にドーナッツのシュガー 春来る sugar powder from donuts still remain on your lip spring has come 昨年末からずっと仕事が超多忙で、長らくブログをお休みしてしまったが、少しずつ再開したい。今年はブログ開始から十周年。がんばろう。 短歌バージョ…

ボジョレーヌーヴォー

生真面目なでも荒削りなるビオディナミボジョレーヌーヴォー君のごとしも ここ一月非常に忙しく、なかなかアウトプット出来ないでいる。句の切れ端が溜まる一方である。ボジョレー解禁日飲み会の歌も、今日になってようやく落ちてきた。 ボジョレーはかつて…

逃げ水

逃げ水やひと愛しても愛しても lovin' and lovin' but i can't cauch up you like a road mirage 今日はちょっと噛み合わない一日だった。こういう日もあるよねえ。

フーガ

フーガを奏でる手の筋を張りたる弓で she played fuga on the violin with a bow strunged tendon of finger 昨晩、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」が、ヴァイオリニストの五嶋みどりさんの特集だったので見た。素晴らしかった。 五嶋みどりがヴァイ…

君の中でかたちを結びゆく朧 something hazy become clear inside you 君の中に朧なるもの播種したり我が言葉にて育てゆくなり 今日は短歌バージョンと。 何というか、怖い歌になってしまったものだ。句の種は決して、こんな怖いきっかけではなく、ごくごく…

月蝕

君の背で月が喰はれて消えにけり the full moon was eaten in the sky behind your shoulder 超多忙の数週間がやっと落ち着いた。今日は皆既月食だった。雲から出たり入ったりだったが、欠けてゆくところと、ちょうど皆既の時に見ることが出来た。 以前とて…

子宮

虚ろなる子宮が秋には奈落となり 急に気温が下がり、朝寒くて目が覚めた。昨日まで暑くて寝苦しかったのに。 おかげでやや体調不良である。 河野裕子さん「燦」より やはらかな括れ括れに眼はゆきて壺はまどかな空洞の器 河野裕子「桜森」

しづもる

半跏思惟のかたちに君はしづもる you stops like a figure sitting contemplatively in the half-lotus position 中秋の名月とのことだが、あいにくの雨で空は見えず。まだ蒸し暑い日もあるが、秋の気配が強くなってきた。

拾ふ

拾ひあつめて君をもう一体創らむ i want make another you by constructing gathered pieces 河野裕子さんの「燦」を読んでいて、向日葵の歌を発見。 立ちしまま死に至る他なくば夜もなほ恍惚として金の向日葵 河野裕子「燦」

窓に映る君を眺めをり月ではなく looking your face reflecting on the window not the beautiful moon 観ていなかった「風立ちぬ」DVD借りてきて観た。とても良かった。 これはかなり大人向け、しかも男性向けの内容と感じた。一言で言えば、宮崎監督の戦闘…

西瓜

うまさうに西瓜食むをと良かりけり うまさうに西瓜食むひと好かりけり 差し入れした西瓜を、人一倍いい音を立てて食べてくれた人がいる。西瓜が好きとのことである。喜んでくれて嬉しい。

大花火

大花火君に棲むもの祓はれよ large fireworks, exorcise something live inside you 圧倒的な句を前にすると、同じテーマの句はなかなか出しづらいものである。鎮魂の思いが切々と籠もったこの句の前に、私の句は何とも薄っぺらさが否めない。 大花火蘇りて…

遠花火

遠花火より流れ星流れ来る shooting stars come from far fireworks 今日は十勝の花火大会。凄まじい人出とのことで、観に行かなかったが、音は聞こえてきた。そういえば今宵はペルセウス座流星群のピークでもあるはず。こちらも月が出て星そのものが見えな…

七夕

星祭君の小夜更けゆくままに tonight is the star fetival our sveral nights are going on 旧暦の七夕。天気が悪く「催涙雨」であったけれど。

湿度

君と話す湿度100%の空気ごし talking to you through the atmosphere of a relative humidity 100% 今週はまるで本州の梅雨時のような天気。曇り時々雨、なのに気温は低くない。

逃げ水

君に逢ひ得む逃げ水に追ひつかば if i catch the road mirage i can catch you 北海道も酷暑。クーラーがあまりない北海道で暑くなると逃げ場がない。結構しんどい。

腫れ

蛾の棘の腫れ長引けり夏の恋 the swelling coused by moth hair lingered like summer love 軽い毒を持っているマツカレハの針にやられた。思い出したように痒くなる。

しづかなれど濃い影をして立つてゐる he stand silently with the dark shadow 北海道も珍しくなくなった真夏日。

向日葵 弐

眩しがり眩しがり向日葵そよぐ being felt dazzled and dazzled sunflowers are swaying まぶしがりまぶしがりして振り向けばかの夏あなたが脱ぎ捨てしシャツ 「森のやうに獣のやうに」河野裕子 河野裕子の「燦」再読。「森のやうに獣のやうに」は二十六歳の…

しづかなる

向日葵のしづかなる影揺れにけり the shadow of the sunflower swayed calmly 八木重吉の詩より。 ひとつの木に ひとつの影 木はしずかな ほのお 「静かな焔」 八木重吉

夏道

夏道にて向日葵に出会つてしまへり i've encountered you being like a sunflower on the summer road 夏道にて。

遠花火

君とゐて遠花火の音聴きにけりwe listened sounds of fireworks far from here 花火の季節。遠くから音だけ聞こえてくる。

向日葵

独りでタンゴ向日葵に懸想して dancing tango alone fall'n in love with a sunflower 先週後半は十勝にきて始めて朝からスパッと晴れた夏らしい夏日。十勝は日中は暑くても朝夕はうっすらと霞がかかっていることが多いとのこと。

下駄

ひとり下駄からんころんと鳴りにけり walking alone my wood sandals clip-clocpping サンダル風下駄を買った。とても履き心地良く気に入っているが、一人で歩くとき履くのは少々寂しいもの。

炎天に腹啜られし蟲の殻 under blazing sun a dead insect with empty abdomen slurped by somthing この土地は虫が多いような気がする。

おとな

おとなふたりでハウルとソフィーのこと語れり talking about Howl and Sophie between two adults ジブリウィーク最終週。思い出のマーニーも見たいな。

解れる

月巡るたび蛹の中で解れけり i melted in a chrysalis every the moon circles 夜帰るとき、外灯に引きつけられた虫が壁に張りついている。先日の、派手なピンク色の雀蛾。

秒針

突っ伏して秒針ばかり垂れ流す i was prostrated and dropped second hand one by one 残業して悩むことが多いここ数週間。

咲き尽くすごとく鱗を振り捨てる scattering scales in all direction like to try to finish bloom 鱗の連作。 山崎佳代子さんの著作「ベオグラード日誌」を入手。 冒頭に、旅は好きかと問われた詩人シンボスルカが、「私、還ってくるのが好きなの」と答え…