2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

雪解け

雪解けや塊の冬崩壊す 凄い勢いで雪が解けている。解けた雪どけ水が排水しきれず、気温が下がると凍ってスケートリンク状態になる。一昨日も思いっきり滑って転んで、したたかに腰を打ってしまった。 場面が急転するように古い季節が壊れて新しい季節に移り…

春嵐

春嵐や蝙蝠の屍累々と 今日は暴風警報が出るほどの強風、横殴りの雨の嵐である。街中には、誰かの手から風にもぎ取られたのであろう壊れ果てた傘がいくつも落ちている。

天体の目盛り進みて嵐来る 相変わらず雪も降っているが、最高気温が0℃以上になったし、かなりの勢いで雪が解けている。風も強い。何故季節の変わり目は必ず嵐なんだろう。

各駅停車弐

懐かしき町の名前や雨の宵 各駅停車に乗ると、特急の時は停まらない駅の名前がとても懐かしい。

各駅停車

楽しきは各駅停車の鈍さかな 最近はつい特急を使ってしまうのだが、久しぶりに各駅停車に乗った。夜、真っ暗な中にぽつんぽつんと街灯や古びたスナックのネオンが見え、踏切のカンカンもドップラー効果で遠ざかる。

山河

釣り人とひとつになりて山河かな 常磐線の車窓から景色を見ていると、通り過ぎるたいていの川で釣りをしている人が何人かいる。じっと水面を見つめて動かないその人々は、すっかり景色に同化してしまっている。

麦踏み

麦踏みや人踏むほどの額畑 関東の畑は一筆が小さい。本当に猫の額ほどの麦畑もある。このくらいの広さなら人が足で麦踏みをしても追いつくだろう。麦踏みという作業を実際に目にしたことはないのだが。

喰ひもの屋ばかりできると父怒る 私の故郷の街は年々様変わりしているが、わけても新しく小洒落たレストランや居酒屋がどんどんできている。父はそれを見て、食い物やばっかりできると怒っている。昔ながらの商店街が廃れ、街の文化的なものがなくなっていく…

常陸野

底冷えて常陸野の春も遅かりし 仕事でつくばに来ているが、例年であればこの時期梅が満開なのに今年はつぼみも膨らんでいない。全国的に今年の冬は厳しかったのだなと実感する。

春一番

翼揺る春一番の向かい風 仕事で関東に来た。晴れているのに飛行機が結構揺れた。春風だろうか。気温も高い。綿のコートでよかったな。

チョコⅡ

ちょこぼうるころりころげた会議中 ある会議中のこと、試作品のチョコボールが配られた。私は二つ三つそれを取って、一つを口の中へ、残りを机の上へ。そうしたら、そのうち一つがあっと思う間もなく、ころころころっぽとん、ころころころ。ロの字に机に囲ま…

チョコ

バス待ちにこおひいとチョコメロンパン バレンタインなので、チョコの句でも。バスの待合いで、自販機のホットコーヒーを啜りながらチョコメロンにかぶりつく。ちょっとした幸せである。

特急の窓我一筋の龍となる 雪原を走る特急の窓から外を見ていると、雪を激しく巻き上げ、その割に音が吸収されて静かなので、不思議な疾走感があって爽快である。

雪原

雪原にて神降る如く畏れたり 晴れた日の雪原にいると、光が溢れすぎていて目が眩む。屋内に入ってもしばらく何も見えない。愚かさや罪を許容しない神々の世界に迷い込んだようである。人間は適度に影が必要なんだな、と思ったりする。

雪牡丹

鳥ふいにぱさりと落ちる雪牡丹 大雪の翌日、太陽が出て気温が上がってくると、電線や木の枝に積もった雪が落ちてくる。

雪雲

地底よりどろろどろろと雪雲や この週末も大雪、毎日積もった。札幌まで出るときは石狩平野を突っ切るので、吹雪に突っ込んだり抜けたりする。

しんしんと時の如くに雪が降り 雪が音もなく降るところを撮りたかったのだが、やっぱり結構難しい。実際はかなり降っているのだが。