2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

雪解け

別れが近し雪解け初むも悲しけれ 今日は一気に小春日和。先週降ったドカ雪も解けてきた。

言の葉

遅れても旅立たむ渡り鳥の空 宮沢和史のファンである。私より二年早い生まれという同じ年代であることに加え、世界中のミュージシャンとコラボし、世界中でライブを行う、他のポップ・ミュージシャンにはないそのスタイルにいつも感銘させられる。そして、宮…

吹雪

我が墓の上を吹雪が過ぎてゆく 自分の墓の上を誰かが歩いている、という英語の言い回しがあったような気がするが、昨日の猛吹雪はこんな感じだった。車の中から、吹きまくる空を眺めていた。

酔い

春の酔ひ笑って話す君のこと 今日は来客があり、宴会。こんなに笑ったのは久しぶり。この場にいない人のことも話題になったが、敬愛のこもった愉しい笑いだった。私も自分がいないときに、こんな風に話題にされたいものである。

群肝

群肝の荒びて水面しづかなり 一昨日の句の別バージョン。人は皆、腹の中に熱いものや冷たいものや、暴れるものや重たいものを抱えて、表面だけは涼しい顔をして生きているのである。

羽化までの一時硝子体の蟲 飛蚊症という症状が、数週間前から出ている。右の眉の上あたり、小さな黒い虫のようなものが浮かんでいる。夏になるとよく目の回りをうるさく飛ぶ羽虫がいるが、そんな感じでうっとうしい。見つめようとすると逃げてしまい、視線を…

群肝に吹雪を抱く小春日や 今日は陽も射し暖かくなった。昨日までの暴風雪も一段落したようだが、心の中の嵐はまだ止まない。

吹雪

肋骨を揺さぶる吹雪蝶の野に 北海道は大雪。昨日一昨日と一日中吹き荒れて、今日も少し上向いたとはいえ晴れ時々吹雪。こんな何日も続く暴風雪は北海道に来てから経験がない。一昨年雪が多く吹雪もあったときも、翌日にはおさまっていた。 屋根の雪も風下側…

スペードとハート豚にダイヤと真珠 今年は、一応チョコの買い出しに行った。札幌東急のショコラティエ・マサールの小さい詰め合わせをねらっていたのだが、何と真っ赤なハートチョコが真ん中に鎮座している。義理チョコに赤いハートはちょっとなぁ・・・・と…

吹雪

吹雪いても吹雪いても止まぬ春近し 今日は暴風雪。昼から凄い吹き方だったが、暗くなってからの方が帰りやすいからなあ、とぐずぐず職場に居たら、真面目に帰れなくなるところだった。こういう日は車は四駆にしておけば良かったなあ、と思う。

白い朝

白き朝うづもれさせる白きもの 昨夜少し降ったようで、景色が一段と白くなった。

紐文学

ひとつずつ句を吊し売る屋台かな ブラジルの「リテラトゥーラ・デ・コルデル」の日本語唯一の解説書が届いた。「コルデル」とは、ブラジルの民衆文学のひとつであり、古くは紐で束ねて屋台で売られていたことから、紐(コルデル)文学と呼称されている。 十…

月と雪

あしもとの星踏む空の二日月 今日の雪面の輝きは一段と煌めいていた。街灯の下はイルミネーションか星のよう。

世界俳句2008

春嵐や蝙蝠の屍累々とA spring storm has left bats' carcasses in heaps on the floor 薬指の爪ほどの影しじみ蝶Blue butterfly its shadow looks like the nail of my ring finger 静けさや森煌々として聖夜Silence− the forest twinkling in the holy nig…

雪の面のなないろ眩しくて見えず ここのところ快晴。夜半にちょっとだけ降ったりするので、雪面が光って美しい。ここ数日のようなピーカンだとプリズム効果できらきらと七色に。写真に写るだろうか。

オリーブ

オリーブの古木が裂けて我を産む 吟遊投句七句目。今回の吟遊句はこれで最後。映画「パンズ・ラビリンス」に登場する大きな古木のイメージ。大きな木には、なにかプリミティブな力を感じる。 昔、大学の卒業旅行でニュージーランドに行ったとき、ニュージー…

節分

鬼やらひ鬼も拾ひし落花生 吟遊句に割り込み。今日は節分。北海道では大豆の代わりに殻付き落花生を撒くことを知ったときはカルチャーショックだった。「当たっても痛くないでしょ、意味無いじゃん!」というと、「だって後で拾って食べられないじゃない」と…

蝸牛管

蝸牛管の渦巻き痛し嵐の夜 吟遊投句六句目。原句は「蝸牛管の渦巻ききつし嵐の夜」。修正句もよいが、「きりきりときつく巻かれている」感じは何となく残したい気もする。原句は確かにわかりにくいので、これならどうか。 嵐夜の蝸牛管の巻ききつかりし

肋骨

頭蓋骨と肋骨 籠の中の蟻 吟遊投句五句目。昨年11月にブログに書いた句(http://d.hatena.ne.jp/alzira/20071101)。ぶんぶんと蜂のような蟻のような、落ち着かなさに悩まされること。 肋骨を持つ身であれば吸ふ埃