2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

水面

夏の夜鏡となりし水面 今日は風が無く、通勤路の橋から見た川の水面もさざ波一つ無く鏡のよう。まだ暗くなりきっていない空が映っていた。

接吻

接吻の記憶おぼろに晩夏ゆく 北海道は日が短くなるのも早くて、既に気分は秋であるが、今日は暑い一日だった。空気もカラカラに乾ききり、爽やかを通り越して潤いが欲しい。

月蝕

月蝕や地球の影は赤かりし 今日は皆既月蝕だった。天体ショーにはフられることが多いのだが、今回は絶好の日和。雲一つ無い好天だったので、欠け始めてから昇ってくる月の出から、再び地球の影から出てくるまでフルコースで楽しむことができた。満ち欠けの欠…

風に蝶の亡骸ゆられ夏終わる コンクリートのたたきに蝶の死骸がころがっていた。黒い揚羽蝶の仲間であろう。びろうどのような青く光る羽はまだ美しかった。

数式

=の橋の向こうの天界や 小川洋子の「博士の愛した数式」を読んだ。小川洋子ファンを自称しながら、最も話題となったこの作品を読んでおらず、我ながら真のファンにあらずと思っていたところであった。 事故で脳を損傷した後遺症で80分しか記憶が保てない…

白球

白球をつるべ落としへ投げにけり 夕方飲みに行くのに小学校の横をとおる。ユニフォームを着た少年団らしき男児らが練習をしていた。しゅっと投げる球が、流石に男の子、子供でもなかなかの勢い。真っ赤な夕陽に建物の切り絵のような黒い影、そして白いユニフ…

珈琲

こおひいの一杯と我沈みゆく ちょっときつい外仕事。涼しくなったとはいえやや蒸し気味の日で体を動かす仕事だったので、全身汗くさくなった。仕事を終えて一杯の珈琲の美味しいこと。インスタントだけど。

水葵

星団の煌めき映す水葵 水葵は水田雑草の一つ。あまり増えるとやっかいだが、花がとても美しく、隅の方に少々なら涼しげで風情がある。

星屑

星屑は素足に痛し夏銀河 もう夏も終わり、去りゆく夏に乾杯、をした。

柑橘

柑橘の香降り注ぐ夢見かな 枕元にグリーングレープフルーツの香り。よい夢が見れそう。

銀河

踏み締める銀河の砂や裸足にて 夏の星を見上げるとき、思い出すものがある。ボイジャーが惑星を旅し、宇宙が限りなく無限の希望と光を湛えていた頃の夜空である。

終戦記念日

遠ざかる落日八月十五日 終戦記念日。既に次の「戦前」が始まっている気がするのは気のせいだろうか。杞憂であって欲しいと心から思う。この日が「point of no return」として後生歴史に記録されるのではないか、と思い身震いすることがある。

長崎忌

快晴のグラウンドゼロ 歩き出す影 週刊朝日8月17日号のグラビアに「時効なき罪過 ヒロシマ ナガサキ」と題した写真と関連記事が掲載されている。そこに、長崎の浦上天主堂の廃墟写真がある。原爆により破壊されながら、かろうじて煉瓦の壁やアーチ、塔、…

亜麻

亜麻の花儚しみづの碧をして 亜麻の花は、午前中に咲いて午後には散ってしまう。綺麗な花なのに、午後にはもうその気配を伝えるのみ。なかなかよい写真も撮れない。一度アップした写真も、不出来なので削除してしまった。 体調不良でアップをさぼってしまっ…

原爆忌

原爆忌イーダの庭の縷紅草 ヒロシマ原爆の日。毎年この日は蒸し暑い。私にとってヒロシマ・ナガサキとは「ふたりのイーダ」「八月が来るたびに」など、数々の児童文学により刷り込まれたものである。 数も威力もかつてと比較にならないほど脅威を増し、人類…

銀河

風 草 砂 銀河のむこうへ歩く夜や 昨日の改訂版。

風に乗り星草砂は鳴り始む 昔学生の頃、仲間と東京から静岡まで自転車で旅行したことがあった。海岸にテントを張り、波の音を聞きながら寝た。

向日葵

愛憎や向日葵路は灼けてゐる ここ数日の雨で元気になったが、ちょっと前まで干ばつ気味で、向日葵もしおれ気味だった。もう少しで満開というところだが、緑肥用なのでその前に鋤込んでしまう。

聖五月

聖五月よき人ばかり死に給ふ 吟遊投句作品。これで第35号分は終わり。長崎市長やアメリカの教授や、若い警察官など、惜しまれる人ばかり殺害されて亡くなる事件が続いた頃の作品。 事件といえば、今日ある事件がニュース検索にひっかかってきた。福井県で逮…