長崎忌

快晴のグラウンドゼロ 歩き出す影


  週刊朝日8月17日号のグラビアに「時効なき罪過 ヒロシマ ナガサキ」と題した写真と関連記事が掲載されている。そこに、長崎の浦上天主堂の廃墟写真がある。原爆により破壊されながら、かろうじて煉瓦の壁やアーチ、塔、そして聖像が残っている。空は抜けるような青さ。うろ覚えなので断定できないが、「八月が来るたびに」という児童文学の挿絵にこの廃墟の写真がコラージュで使われていたように思う。そのせいか、奇妙な既視感を憶え、語りかけてくる写真である。