2012-01-01から1年間の記事一覧

この俳2012 第壱位

空蝉が籠もりし聴力検査室 そして、私的「この俳人がスゴイ!2012」第1位は、この人、金原まさ子さん!句集「遊戯の家」を取り寄せて、グッと来た句のページをドッグイヤしながら読んでいたら、ほぼ毎ページ折ることになり、意味ない!と止めたくらいである…

この俳2012 第弐位

山ひとつ遊びつくして雪しんしん 今年もいよいよあと一日。今時の言い方をすれば「この俳人がスゴイ!」2012版を私的に選ぶなら・・・まずは2位は・・・やはり八田木枯さんだろう。七十代の「夜さり」、八十代の「鏡騒」が本当にスゴイ!十七文字からはみ出…

蕪村忌

蕪村忌や耳医にゆけば雪のこと 鯖寿司や聖夜の街に雪ふりつむ すれ違ふひと数多なり蕪村の忌 耳蝉のおと雪の間より降りくる 今日は蕪村忌。二句目は「鮒寿司や彦根の城に雲かかる」の本歌取り。鯖の旬は冬なので、いいかな。近所のスーパーで売っている鯖寿…

雪おもて

我の痕あとかたもなし雪おもて tracks of mine have completely dissapeared on the surfice of snow しばらく更新を空けてしまった。忙しかったというより、頭が仕事のことで一杯で、帰宅してもなかなか緩まない。そんなときはぽろっと俳句が生まれる余裕も…

うた恋い。

おともなくこひぞつもりて決壊す love lies on my heart silently then suddenly burst いよいよ雪。今日は大分積もった。 コミック「うた恋い。-超訳百人一首」が人気らしく、アニメにもなっているとのこと。ここは未読という訳にいかないので、大人買いし…

くれよん

くれよんの冬のにおいを懐かしむ feelin' nostalgia for wintery smell of crayons 初雪が降った。いよいよ冬である。 先日両親が京都旅行してきて、嵯峨野の落柿舎の俳句手帳をお土産に送ってくれた。巻末に季語と俳人忌の一覧がある。明日十九日は一茶忌と…

雪虫

雪虫を見たとふ子からゐなくなり dissapearing from who said I've seen snow fairies もう11月中旬だというのに、暖かい。昨年一昨年と厳冬が続いたが、今年は暖冬だろうか。 ついこんな句にしてしまう。まだ怖い俳句の余韻がつづいているようだ。

花園

いつの日か我の背骨を花園に wish'n somebody leave my spine on the field full of flower some day 野村哲也さんの新刊が出たらしい。買わねば! 今日は、野村さんのブログの写真から。骨の主が、何となく安らいでいるように見えるのは何故だろう。 http:/…

ゆびさき

ゆびさきや昼間は人の爪でゐる being still human nails my fingertips during daytime ちょっと怖い句もう一つ。既出だが、英訳は初。 怖い歌句に弾みが付いて、倉坂鬼一郎著「怖い俳句」を読んでいる。著名人の怖いアンソロジー俳句版である。だが、短歌に…

野菊

ほつりほつりと野菊ほぐれてゆくを追ふ wild asters are coming out i follow them one by one 京都のお土産。手ぬぐい二種に、麻藍染めのブックカバー。手ぬぐいは伊兵衛とかまわぬ、ブックカバーはcocon karasumaの作家ものを扱う雑貨店にて購入した。ブッ…

京の水

京の水飲みかへり来て夢止まず after i drunk the water of Kyoto nightmares never stop 京都で水道水の缶詰めを売っていた。旅先でご当地ミネラルウォーターを飲むのを習慣にしようかな。

京都にて

脳(なづき)なき菌が這ひまわる秋野 石仏が塩噴いてゐる登り切る あなたにもあなたの山河笑ひけり 葡萄粒噛み潰しつつ思ふひと 油小路に踏み入るなかれ彼岸花 路地を入ルもういちど入ル京の闇 蛸と牡蠣星の海にて不定形 尾ひれにピアス身の重たげなる蘭鋳 …

怪異

口といふ穴明け渡す夏の夜 千本の腕もて苔の庭を這ふ 振り向くな桜橋渡りきるまで 血しぶきと桃花片と七重八重 我の上を蜘蛛が跨いでゆきにけり 烏百羽風切羽の音止まず 今日は過去の作品から、ちょっと怖い句を集めてみた。歌人の佐藤弓生著「うたう百物語…

汝の眼になぞられるわたしのことのは my words being traced by your eyes 今日からもう10月!流石に涼しくなってきたが、気持ち蒸し暑い感じはまだ続いている。 伊藤一彦さんが、河野裕子さんとの対談の中で、身体から発して人の身体に入ってゆく声のやりと…

夏野菜

君 選るまへの夏野菜のやうなるよ you looks like unsorted summer vegetable もう10月とは思えなかった暑さも一段落(今日はまた少し暑かったけど)。直売所の夏野菜も終盤の雰囲気。北海道のいいところは、近所の直売で、旬のパリパリの夏野菜が買えること…

葡萄

舌先で葡萄の種を弄ぶ toying greepseeds on the tip of my tongue 実家から葡萄が少し送られてきた。おいしい。

驟雨

驟雨来て血の匂い濃くなりにけり a sudden shower has come the scent of blood were getting strong 一昨日、この周辺に集中豪雨があった。からからの乾燥から一転して豪雨。 山崎佳代子さんの詩が好きだ。山崎さんは、旧ユーゴスラビアで、NATOの空爆に遭…

薬指

くすり指の突き指の微かなる痛み slight pain of jammed ring finger 年のせいかもしれないが、何かの拍子に軽く突き指しやすくなった。コキっとなって、一月ほど軽く痛い。あと冬のクロスカントリースキー中に転んで突いてしまった親指もまだ少し痛む。

向日葵

驚けり突然の向日葵の黄に being surprised to the sunflower suddenly appeared so brilliant yellow まだ暑い。ここ数年暑い年が続いている。

記憶

あなたにもあの日の記憶鏡騒 you have also recollections of the day the surface of mirror is rippling 八田木枯の「鏡騒」本歌取りにて。 囀りて水のおもてをもてあそぶ 追伸にあやめ騒ぐと書き入れぬ 蛇衣を脱ぐ萬巻の書物かな 「鏡騒」八田木枯

雨の化石

雨の化石風の化石を探すひと he is a miner digging fossilized raindrops or wind 小川洋子の新刊小説「最果てアーケード」とエッセイ集「とにかく散歩いたしましょう」を読了。義眼屋、ドアノブ店、完璧な円でないと売らないドーナツ屋・・・。不思議な店…

夏の夜

忘れたと思えど夏の夜の夢 i tried to forget you but dreamed of you again in the deep of summer night ここのところ肉体労働のため、夜はバタンキュ。夢見も激しい。

傷心もて通りし道に草萌える roadside grasses grow i passed through containing a grief in my heart 草シリーズで。

夏草 弐

夏草に夢の中まで覆われる summer grasses covered even inside my dream 真夏の憂鬱とハイテンションと。

葛の葉は覆ひつくせど朽ちきれぬ being covered by arrowroot vines i couldn't finish to decay 先週末は所要で関東へ。車窓から、葛があちこちにはびこっているのが見えた。

夏草

夏草を己のうへに繁らせる making them grow thick summer green grass over myself 北海道に盛夏来る。流石に夜も暑い。

一心に瓜食むゆふべ夏来る biting a melon eagerly in evening summer has come 今日は暑かった。夏、ようやく夏。 アジウリのことを日記に書いたら食べたくなって買ってきた。一つ五百円ほど。千円以上する赤肉青肉メロンよりよほど安いが、味は負けない。…

メロン

解き放ちたいものがありメロン切る i cut a melon wishing release something 瓜が好きだ。胡瓜も西瓜も好き。メロンも好き。甘い高級メロンももちろん美味しいが、ホームランメロンなどの瓜っぽい方が本当は好きだ。昔懐かしいプリンスメロンもときどき食べ…

シジミチョウ

体中から飛び立ってゆく蜆蝶 hundreds of Lycaenidae are flying away from all over my body 最近気になるポエットの一人、八田木枯の句集「鏡騒」を入手。タイトル句をはじめとして、蝶が繰り返し現れる。 蝶を飼ふ人差指はつかはずに 蝶荒び空は沸騰しつ…

霧雨

霧雨は影のない記憶のごとく it drizzle like recollections without shadow 今日は、一日霧雨、外仕事は少々難儀だった。雨雲レーダーには影一つない。レーダーに現れないと予想できないので困る。