2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

雪面に蝶吐きたれば眩しけれ 二月が近くなると氷点下十度の朝でも日射が強くなっているのがわかる。窓際に寝ていると朝暑くて目が覚める。

6階建ての塔の家 4階には何人住んでいるのかわからない 3階の踊り場に死体 クッキーの引き出しにネズミがちょろり 5階の刑事はいつもいない 中庭は外であって外でない 1階には椅子ばかり 2階の食堂では豆が煮えている 昨日の夜の飲み会でちょっと飲み過ぎた…

ブルグミュラー

ピアノを習った経験のある人なら誰でも知っているブルグミュラー練習曲のいくつかに歌詞をつけて歌謡曲化するという試みをしている。言い出したのは父なのだが、やってみると結構面白い。二曲完成したのでアップする。「小さな嘆き」の方は宵待草的な大正ロ…

吹雪

あをむけに横たわり吹雪見送る 今週初めは空模様が荒れた。妙に暖かいときは決まって暴風雪とセットである。雷雨が凍ったかのような霰も暴風と共に降ってきた。上を向いて落ちてくるのを見ていると乗り物酔いのようになってしまう。

動悸

体を二つに折りてやり過ごす動悸 蹲って、鼓動が治まるのをじっと待つ。

マンケル概説

笑ふ男と少女の記憶の森深し ヘニング・マンケルは傑出のストーリー・テラーである。正月休みからずっと、マンケルのクルト・ヴァランダーシリーズを一気読みした。そして、長年海外ミステリを耽溺した私は「白い雌ライオン」と「笑う男」に舌を巻いたのであ…

クリシャンスタの森しづかなりはるかなり 今、夢中になって読んでいる本がある。スウェーデンの作家ヘニング・マンケルのミステリである。主人公のクルト・ヴァランダー警部には、ほとんど惚れていると言ってもいい。格好いいからではない。格好悪いからであ…

寒波

眠られずけふもかがやくものを踏む 今朝はかなり冷え込んだ。鼻の穴が凍るほどの寒波。夜の冷え込みで日中の水蒸気が霧になり、枝に氷結する。そんな枝の間から冷え冷えと月が見えた。

あしあと

花のごときあしあとばかり雪おもて 遅ればせながら、今年の年賀状をアップ。今さら感満点だが、何せ完成したのが一月四日、出したのが五日と来ている。今年は銀の箔を漉き込んだネパールの手漉き紙に、レンコンで模様を押した上に、句を印刷した和紙を貼った…

新年

結界を銀河鉄道にて越へる 昨日の大晦日は千歳荒天のため、飛行機が六時間遅れ、何とか飛んだは良いが実家までの最終電車に乗れるかどうかの瀬戸際を滑り込みながら何とかたどり着いた。お陰で新年は列車の中で。 皆様あけましておめでとう御座います。旧年…