ブルグミュラー
ピアノを習った経験のある人なら誰でも知っているブルグミュラー練習曲のいくつかに歌詞をつけて歌謡曲化するという試みをしている。言い出したのは父なのだが、やってみると結構面白い。二曲完成したのでアップする。「小さな嘆き」の方は宵待草的な大正ロマンにするはずだったのに、できてみたら怖い歌になってしまった。
−あじさい−
原曲「小さな嘆き」
あじさいの花咲く頃は
あの日の
あなたの
胸の鼓動を思い出す
雨だれは嘆きのしらべ
遠くに
静かに
止むことのないその音よ
かたく抱かれた腕の中
何も言えないままだった
思いは胸に残る
君はもういないのに
あなたの遠い眼差しに
気づかなかった雨の朝
あの日あじさいの下
あなたを埋めてから
−妹−
原曲「アヴェ・マリア」
若かりし母の手に
新しい命よ
父に手を引かれて
光の窓に寄れば
小さきてのひら
まだもの見ぬ眼差し
妹が生まれて
灯りがひとつ増えて
いつまでも
手を繋ぎしあのころ