2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

浮いている塵の行方をずっと追ふ 最近夜はとても寒く、昼は滅法暑い。今日は特に気温が高く、頭がぼーっとしてしまった。空気中の塵をぼんやり眺めてしまったりして。

桜花

なまぐさき指もて触れず桜花かな スーパーで「マグロの目玉」なるものが一つ150円ほどと安く、衝動買いした。売り場のお兄さんに食べ方を聞くと「バーベキューか煮付けですね」というので、それならとスープカレーにしてみた。ほろほろと目の周りのゼラチン…

田に水の入れば街ごと泳ぎ出す 田植え最盛期。渇いた土だった田んぼに水が入り、水田地帯であるこのあたりは水上に家々が浮いているようになる。水の匂いが満ち始めるこの季節が大好き。

西

金色の西に向かひて潜る森 昨日今日と雨であったが、夕刻になって西から晴れてきた。このような空模様の時はひときわ西日が美しい。地上はセピア色から金色へ、そして桜色へと変化する。

林檎

夏近しかつて我にも林檎の恋 林檎の花が盛りである。林檎の花は美しい。銀色の裏葉との色彩的相性もよい。

嫉妬

空中に闇湧く真昼の嫉妬かな 嫉妬という感情は、なぜ人間に備わっているのだろうか。喜怒哀楽、それぞれ理由があり、生物としての人間に必要な感情と納得できるのだが、嫉妬の必然性はこれ如何に?相対的な他者の幸福や利益に対して悪感情を持つことに他なら…

五月晴れ

五月晴れ我は地面の影となり ここ数日快晴。屋外での仕事のため、帽子をかぶっていても顔に熱い日差しを感じる。こういうのを五月晴れと言うのだろうか。もっと夏の日射しに近い気がするが。

みづ

怒るなら沢みづほどにほどほどに 今日は炎天下で仕事をした。じりじりと強い日差しにびゅうびゅうと強い風。人も怒りっぽくなり、私もつまらぬことに腹を立ててしまった。自分にまあまあという感じで、小川の写真でも載せてみよう。シャッタースピードを速く…

春の陽

春の陽のあまりに強く凍えたり 今日は日差しがとても強く眩しかった。風は冷たいが日差しにあたると灼けるようだ。暑いのか寒いのかよくわからない。

こごみ

春の日や螺旋ほぐれて琴のおと 山菜の季節。写真はこごみ。おしたしや天ぷらがおいしい。

タンポポ

空の下たんぽぽの花ばかりなり 野にタンポポが咲き出した。帰化植物であるセイヨウタンポポの勢力拡大はすさまじく、休耕している畑地や草地などあっという間にタンポポで真っ黄色になってしまう。この時期車を走らせて真っ黄色の野が見えたらまずいちめんの…

春の野

春の野は常世にあらず神隠し 林檎の古木。人ならぬものが憑いていそうな佇まい。花の時期に見に来てみたいものだ。

みづの辺に焚く草や霊送りの日 ヒーリングで使うホワイトセージは焚くと鼻の奥まですーっとする。メンソール系の成分が含まれているらしい。花粉症の時に焚くといいかもしれない。

桜蘂

桜蘂紅し雲雀黄色し昼下がり 桜蘂が散って地面が真っ赤だった。

夜桜

夜桜や朝にはすべて胡蝶かな 夜桜は蝶がびっしり枝に着いているように見えるから苦手だと言ったのは尾崎豊だった。蜆蝶が五億頭ほど枝にとまれば、このように見えるだろう。三脚なしで撮って、このようなブレをあえて写し込むのもまた良し。酔って景色が廻っ…

供養

春雷や渦巻をもて供養とす かつて職場を共にしたひとの訃報があった。奥行きのある人生を彷彿とさせる人柄で、皆にも慕われていた。職場を離れてからのことだったので、消息にうとい私が知ったのは、亡くなってからひと月程経ってからだった。ご冥福をお祈り…

桜と夕日

夕桜遠吠えを呼ぶ何かあり 足を捻挫した。天気が良かったため夕日がとても綺麗で、ちょうど満開の桜と夕日を写真に納めようと外に飛び出し、刻々と沈んでしまう夕日に焦って砂利道で滑ったのだ。おかげで湿布とテーピングの足首でびっこを引いている。足を挫…

桜くづれて躑躅くづれて花の宵 仕事で伊達市に来ている。いつもながら美しい春の里。川沿いに桜、コブシ、キンポウゲなど。花の川である。とおりがかりに眼の端で見るだけであるが。 追記:昨日は携帯からのアップだったので、躑躅が漢字変換できず「つづじ…

春眠

春眠や翡翠をくれて去りしひと この時期はとても眠い。バイオリズムの波によりとても眠い時期があるのだが、春はことさら眠たくてしかたがない。夢もよく見る。

蟇の恋

蟇の恋芋もそなたも愛おしや 猫の恋という季語があるのは知っているが、蟇の恋はどうだろうか。水たまりはゼリーのような卵と、交尾するケルルンカップルでいっぱい。詳しくないので種名を特定できないが、蟇蛙より一回り小さいトノサマくらいの蛙だ。ケルル…

くづれたる真珠を指に桜みち 連休中好天が続き、ようやく北海道も桜の季節到来である。節目の季節4月上旬に咲く桜は人生の彩りとしてまた格別であるが、行楽シーズンとぶつかる北海道のそれも悪くない。今日は少し湿度を感じる、花曇りであった。

川も空も同じ彼方へシアンルル 昔、アニメの名作シリーズに「トムソーヤの冒険」があり、そのエンディングの歌が好きだった。その歌詞に「空より広い豊かなミシシッピ・リバー」というフレーズがある。十勝川や石狩川などゆったりと平野を流れる大河を見ると…

オフィリアとなりて揺られたしシアンルル 4月29〜30日と、十勝に遊びに行った。今GW唯一のレジャーであった。この春いちばんの暖かく麗らかな日で、川のせせらぎも穏やか、川辺に妖精でも現れそうな春の一日だった。十勝川はアイヌ語でシアンルルという。ケ…

あばれ川脳よりつるりと逃げしもの 俳句や短歌をつくる人なら誰でも経験があると思う。無心に運転したりしているときにふっと句が浮かんで、おおなんたる名句、わたしって天才とか思ったりするのだが、そのあとひょいと注意がそれて、他の考えが頭に入り込ん…

春嵐

春嵐心荒れれば魔に触れし 今日は強風。天気が良ければ健康のため自転車で出かけるところだが、びゅうびゅうたる風の音を聞いてあっさり日和った。