タンポポ

alzira2007-05-17

空の下たんぽぽの花ばかりなり


  野にタンポポが咲き出した。帰化植物であるセイヨウタンポポの勢力拡大はすさまじく、休耕している畑地や草地などあっという間にタンポポで真っ黄色になってしまう。この時期車を走らせて真っ黄色の野が見えたらまずいちめんのタンポポ。いちめんのなのはな、ならぬ、である。このようなタンポポ畑を見るといつも、河野裕子の次の歌を思い出す。前後の歌や解説から、子供を喪った深い悲しみの最中の歌と思われる。



呆けるほどタンポポ咲ける野に来ては来るはずのない鬼を待ちゐる   河野裕子「森のやうに獣のやうに」