2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

なつメロ

快晴のドライブ懐メロに口笛 昨日今日と好天で絶好のドライブ日和。ここ数日のドライブミュージックは「杉山清貴&オメガトライブ」ベスト版。高校の頃夢中になって、レコードがすり切れる程聴いた。「二人の夏物語」は私の青春の一テーマソングである。この…

白鳥

灰になる時間聞こえる白鳥の歌 吟遊投句作。原句「灰になる時聞こえる白鳥の歌」。治されて、さらさらと灰になる感触がより際だった。死後の世界の湖に浮かぶ白鳥を表現した曲があるという。シベリウスの「トゥオネラの白鳥」である。聴いてみたい。

しゃぼん玉

君と話すしゃぼん玉を吹くごとく じゃ また明日。しゃぼん玉消えました 吟遊ギャラリー投句作。一句目が掲載された。嫌いではない相手と電話で話すときのそこはかとない楽しさ、と、切ったあとシーンとするのはこんな感じ、ではないだろうか。

吟遊

れんこんの穴食む朝のきらら風 洞窟の滴りの音訃報来る 吟遊第34号が届いた。初めての投句、夏石番矢先生の選・評による俳句ギャラリーに載った。上記二句は原句のまま、推薦句として頂いた。投句枠7句のうち、特に気に入りの句ゆえ、嬉しい。 冬雀ガラス…

夜啼鳥

銀潜む夜の池には夜啼鳥 近くの川のそばに、小さな三日月湖がある。湖というより池の方が近い小さな水たまりだ。夜、そのそばを自転車でとおると、ギィギィ、ギュウギュウ、という感じの水鳥の鳴き声が聞こえる。何の鳥だかわからないが、昼間の世界とは違う…

始祖鳥

白亜紀の酒に始祖鳥の手羽食みて 手羽先の白ワイン煮を作った。おいしい。鶏の手羽先には先端に爪がある。鳥類がかつて恐竜だった証拠である。骨の隙間の軟骨までしゃぶった。

天気

霧のごと気象観測者の瞑想 天気がめまぐるしく変わる。寒いのか暑いのかよくわからない天気。

オオサイチョウ

夜の虚空にオオサイチョウの空嗤ひ 昨日は夢見が悪かった。安物の低反発マットのせいだろうか。背中がなかなか完治しない。

銃弾

銃弾の幾度ひとを殺めども 何という事件が続いた二日間だったのか。アメリカでは閑静な学園で銃が乱射され、三十人以上が犠牲になった。惨劇のさなか、イスラエル人の教授が、教室への乱射犯の侵入を阻止するため撃たれながらもドアを抑え続け、学生らを避難…

睡蓮

ウォーターリリーといふ名のボート朽ちゆけり 映画「エコール」を見ていて、アガサ・クリスティの「親指のうずき」を思い出した。こちらは少女の学校とは対照の極みにある養老院が舞台。おしどり夫婦探偵トミーとタペンスものである。二人はある日養老院にい…

エコール

てふてふか紅きリボンか森深し エコールというフランスの映画をDVDで見た。とても幻想的な物語で、森の奥深くにある少女の学校が舞台である。そこには少女だけの世界で、女の先生と女使用人が数人いるのみ。少女らはどこからとも知れずここへやってきて、森…

歩く

日がのびて縮んで再びのびた 歩こう ウォーキングのための靴を購入。春だし、少し自分のためになることをしよう。

二日酔い

油の如き空気の吐き吸い宿酔ひ 歓迎会シーズン、こんな一日もある。

雲雀

影木立つくつくはうしと鳴く雲雀 昨日、雲雀の初鳴きを聞いた。なぜか、「ジィィィピロピロピロ、ジィィィピロピロピロ」というフレーズを繰り返していた。どう聞いても「オーシツクツクツク、オーシツクツクツク」である。ユニークな雲雀だ。雲雀の世界にも…

吟遊詩人

言霊を鬻ぐ民あり砂嵐 アフリカのマリ共和国に、代々吟遊詩人を生業にする一族がある。農耕も狩猟も商いもせず、家族単位で街から街へ旅をしながら、祝い事に呼ばれたり、その街の名士を訪ねては褒め詩を披露したりし、返礼として受ける祝儀で生計を建てる。…

海の民

海の民の言葉を聴かんうつむかぬやう 職場でちょっとした諍い。いやなことがあるといつまでもくよくよと考えてしまい、半日も経っているのに言い訳だの繰り言だのが頭の中をぐるぐる回っているのに気がついたりする。以前はこんな事はなかったのに。もしかし…

雨鏡記憶の歌ひ手映しけり 今日は雨だった。こんなにしとしと降るのは久しぶり。

背中

背が縦に裂けて魔物の生まれ来ん 寝具が悪いのだろうか、左側の首筋から背中にかけてをよく寝違える。今朝も鋭い痛みで、首が回らなかった。

顔に受く雨暖かし星の街 また変な夢。誰かの結婚式に出た。駅ビルに入っているホテルが会場だった。式と披露宴が終わって、私は他の人たちとぞろぞろ出てきたが、入り組んだ駅と地下鉄の構内ではぐれてしまった。帰る手段もなく、雨が降ってきたので、リヤカ…

青い空そのものが神地の我ら トルコ石が好きだ。ネイティブ・アメリカンはターコイズを空のかけらと信じ、神聖視してきたという。北海道に来て、どんよりと曇った寒い春や寒い夏を経験し、「空が青く晴れ上がった日」というのがいかにありがたいかを実感した…

渡り鳥

白鳥は渡りて鷺はひとりかな この季節、白鳥などの渡り鳥が北へ旅立っていく。白鳥が隊列を組んで青空に飛び立っていく様はとても美しい。千歳の、雪解けしたばかりの麦畑が白鳥の休息地になっていた。白く点々に見えるのは全部白鳥。 同じ方角を目指してい…

合に至れりアンティキティラの輪まはる 合とは、地球から見て惑星が太陽と重なる位置に来ることを言う、天文学用語である。CG以前のSFXファンタジー映画「ダーククリスタル」は太陽が三つある恒星系が舞台だが、三つの太陽が重なる「大合致」という時がある…

ひたひたと黒の一群去りにけり この季節は夜濃い霧が出る。

時実新子追悼

桜宵をんなの灰がながれゆき 時実新子が亡くなった。3月10日の事だそうだが、多忙を極めて新聞もテレビもろくに見なかった頃で、つい最近まで知らずにいた。 時実新子が「有夫恋」を上梓したころ、私は短歌をつくっていた。初めてこの句集を読み、本を閉…