2011-01-01から1年間の記事一覧

吹雪

細断した記憶舞ひ散る吹雪くごと shredded memories are falling like a snowstorm 今日は吹雪。朝起きて外を見て「出勤無理!」と思った。やがて少し収まったので何とか仕事にでられたものの、吹雪きの中の除雪で力を使い果たして出勤。へろへろである。 七…

聖夜

雪にふれ胸乳つめたし聖夜かな being touched by snowflakes my breasts felt cold in this holy night 今年は冬が寒い。年内に「雨」が降ったこともあるのに、今年はみっちり根雪。灯油消費量が例年より早い。久しぶりに手にしもやけが出来た。「しもやけが…

胞子や花粉など

麗らかに樹々の精子も漂へり a beautiful day spermatozoa of trees are floating on the air 昨日の続きの句を、初秋の森林公園の写真で。びっしりと菌類が群生している切り株。 今日は麗らかどころか、マイナス十度を超える厳しい冷え込みであるが。

風媒

風媒樹触れ合はぬまま契りけり anemophilous trees are making love without any touches 銀杏の樹には雌の樹と雄の樹がある。近所の芝地にも、ギンナンをたわわに成らせて盛大な臭いを振りまいている雌の樹と、十数メートルほど離れて雄の樹が立っている。…

六花

君知るや六花の間闇の声 do you know the sounds of darkness comes from behind the snowflakes 何と一月も更新を休んでしまった。仕事の佳境がようやく一段落、ようやくブログに向かえるようになった。あれからすっかり冬になり、ここ二日ほど大雪。外はし…

指先

指先の火照りが消えぬままに冬 the winter has come heats are still remain on my fingertips 今週はついについに雪。 北海道では唐辛子のことを「なんばん」という。夏からずっと直売所で在来種のなんばんを数多く売っており、私もよく買っていた。中でも…

紅葉

紅葉野を流れる河は深くして寂しき鬼の嘆きのほどに この日曜は野幌森林公園へ、紅葉を見る最後のチャンスと思い出かけた。仕舞いかけのカエデが風にひらひら、所々に池や沼があり、水面に葉が落ちてきれい。 今日はずっと以前、紅葉の鬼怒川温泉へ行った時…

落葉

置き傘を開けば落ち葉一二枚 when i opened my ambrella one or two leaves fell from inside もう紅葉も終盤。週末は決まって天気が悪く、あまり見に出かけられないのが残念だが、雨の中の紅葉はそれはそれで美しい。 「置き傘」の英語訳が難しく、結局ただ…

追跡者

追跡者となりて君のあとを追ふ being a tracer i persuit after you intently リチャード・コニフ著の「飢えたピラニアと泳いでみた」というエッセイが面白かった。著者はナショナル・ジオグラフィックなどの雑誌に書いているライターで、動物学者、昆虫学者…

満月

お月様地上に好きなひとがいます Mr. full moon, i have a man in my mind living on the earth いい月の写真が撮れたらこの句をつけてアップしようと思って少しの間暖めていたものであるが、いざ載せてみるとやはり少々気恥ずかしい。でもいい月写真が撮れ…

野菊

走っても走っても野菊 君は居ぬ run and run only wild aster i can see without you この連休は天気がよかったのでドライブに出た。この季節は路肩などにいろんな濃淡の紫の野菊が咲き乱れる。もう終わりかけだが。

夜祭

夜祭の人波に消ゆ君の背な still gazing after you disappeared in the crowd at the night of the feast 久しぶりの秋晴れで昼は汗ばむほどに夏の片鱗を感じさせるが、もうすっかり空は高く秋、肌感覚の上半期終了。気持ちも新たに後半戦スタートである。

悪霊

人恋はば悪霊となりたる心地 lovin' somebody feeling like an evil spirit ガルシア・マルケス原作のコロンビア映画「愛その他の悪霊について」をDVDで観た。 狂犬に咬まれ悪魔憑きとされて修道院に閉じ込められた娘と、その虜になってしまう神父の物語であ…

コーヒーゼリー

コーヒーゼリーひとつ自分を甘やかす babying myself enjoying a coffee jelly sundae 先日帯広へ行った。帯広駅の列車待ち時間に甘いものでもと駅の名産品コーナーへ。しんむら牧場の出店があり、そこのコーヒーゼリーサンデーは絶品。さっぱりほろ苦いコー…

空色

空のシャツ好む君今日は夏の空 sky blue shirt that you like today's blue is summer-sky blue 先日通った日本海沿いの国道オロロンライン、苫前町にて。丘の向こうから次々現れる風車が壮観。雲ひとつない晴天の日だった。

樹の影や君の貌したなにものか shadow of a tree somthing that has your face 怒涛の多忙週間がようやく一段落しようとしている。 オオハンゴンソウが今年は当たり年なのか、そこここで大群落になっている。また撮りたくなって、夕闇に沈みかけたところを撮…

ひるがお

ひるがおにあしをとられて追いつけぬ i can't catch you by tripping up with vines of bindweed 雨にぬれた昼顔。ひるがおは河野裕子さんがお好きだった花、歌集のタイトルにもなった。儚さと逞しさを併せ持つ日本の花である。「セイヨウヒルガオ」のbindwe…

反魂草

夏の日や反魂草は揺れをりし in midsummer day flowers of Rudbeckia are swaying 今日は雲ひとつない快晴。だが風が強い。オオハンゴンソウが満開。名前からして、お盆に相応しい花である。

裸身にて茅の叢を駆けるごと as if running naked through thick blood grass こんどは「ちがや」。英訳が難しかった。これでいいか自信がない。

茅傷

薬指の腹の茅傷しみている smarting a grass leave cut on the thick of my ring finger 今日は暑かった。夏らしく蝉の声も。湿気もあって草いきれの青くさい匂いがする。

線香花火

線香の散り菊ほどの未練かな slight lingering attachment like as faint sparks of finishing sparkler 花火をもう一つ。線香花火の点火から終わるまでの様子を、牡丹・松葉・柳・散り菊という。

遠花火

君は今遠い花火の下にいる now you are far from here, watching fireworks 夏祭りにて、花火の撮影を試みたが、なかなか難しかった。何枚も撮ってそれらしいのはこの一枚のみ。

告げ得ざるあまたのことば蝉の森 many many of words that i couldn't say you the forest filled cicada chorus 暑いんだか寒いんだかわからない天気で、中途半端な夏風邪。

青葉

疾走する君を見たいよ青葉風 how i wish i can see you dashing wind of verdure 七月が終わる。

レモンアイス

独り夜にレモンアイスを殺いでゐる scooping lemon ice-milk at night alone アイスのMOWが好きで、時々食べたくなってコンビニに買いに行く。期間限定の「瀬戸内レモン」味というのがでていたので食べてみた。サッパリしているけどシャーベットより優し…

一期一会

一期一会の積分すなわち絆なり integration of once-in-a-lifetime encounter is the bond between us 今日でアナログTV終了。だが、地デジ化対応していないので、テレビなし生活となる。テレビよりカメラを優先したからだ。テレビはなくても当面困らないが…

いちどだけもう一度だけ名を呼ばむ only once, only once more i will call your name DVDレンタルの「恋する宇宙」を借りた。とてもよかった。

納豆

忘れると決めて納豆掻き混ぜる deciding to forget you i bit a morning bread これは納豆のままで英語にしても意味不明だろう、ということで、英語訳は朝のパンにしてみた。

降りしきるどうしやうもなくとめどなく rain is falling hoplessly and incessantly 雨の週末。雨の街。今日は札幌の書店へ。河野裕子さんとご主人の永田和宏さんの歌とエッセイ集「たとへば君」を購入。夫婦で歌人である二人の、四十年の相聞集である。

雨音

雨音に君と思ひて振り向けど hearing familliar footsteps and turn around but it was just some raindrops これは英語訳難しい。梅雨前線が北上して北海道に来ていて雨である。