悪霊

人恋はば悪霊となりたる心地


lovin' somebody
feeling like
an evil spirit


 ガルシア・マルケス原作のコロンビア映画「愛その他の悪霊について」をDVDで観た。
愛その他の悪霊について [DVD]
  狂犬に咬まれ悪魔憑きとされて修道院に閉じ込められた娘と、その虜になってしまう神父の物語である。ガルシア・マルケスらしいプロットで、病気になった娘にひたすら焦がれる男、という点では「コレラの時代の愛」と共通するモチーフだが、映画ではこちらの方がぐっと抑制が効いて地味であり、逆にやや迫力に欠ける感がある。話の展開も曖昧なまま終わる感じで、本でもその通りなのか読んでみないとわからない。本の方は「コレラ」共々未読、両方とも読んでみなければ、と思う。
  塚本邦雄の有名な歌から、本歌取りで。


馬を洗はば馬のたましひ冱ゆるまで人戀はば人あやむるこころ   塚本邦雄「感幻楽」