2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

北の地や木枯らしのごと夏が啼く 昼間は暑いが夜は涼しい日が続いている。夜出かけるときなど半袖では寒いくらいだ。今日は風もびょうびょうと強い。

麦客

麦客は来たりて鉄の蝉轟く 麦刈りのことを書いて、ずっと以前TVで中国の麦刈り請負人のことを特集した番組を見たのを思い出した。古くより鎌ひとつを元手に賃仕事で麦収穫を請け負い、出稼いて渡り歩く人々のことを「麦客」と呼んだのだが、近年は大きなコン…

麦刈り

刈り終へれば幻のごと穂波かな 今日の日本農業新聞に、なんと、時田則雄氏の中国語訳歌集が北溟社から出版されたとの記事。これは是非買ってみなければ。読んでみたいのはもちろんだが、中国語での朗読も聴いてみたいものだ。そんなイベント誰か企画してくれ…

蟋蟀

きりぎりすの股はふともも夏暮れる バッタとか蟋蟀とかのうしろ足って、意外とムキっとあからさまに筋肉質だったりする。細身のわりにマッスルでセクシーなおみ足なのね、キリギリスさん。

黄金虫

コガネムシに脅されてゐる葉陰かな もしもし、そこの、この私に向かって肢を振り上げている虫君。自分との大きさの差をわかっておるのかね?

風止んで蝶の秘め事しづかなり 昨日まで少し心配になるくらい涼しかったが、今日の昼頃から暑い夏が戻ってきた。夏はこうでなくちゃ、と強がってみるもののやっぱり暑い。風も緩やかで、葉の上の蝶のカップルもじっとしたまま。不躾な写真をとって失礼。 こ…

凪といふ恐怖あること夏の海 帆船の時代には、風が止んで船が全く進まなくなる凪も恐ろしいものであったらしい。今の私はそんな状態かも知れない。それにしても腰が痛い。

頭蓋に長石腰に真珠胸に玻璃 腰痛で寝込む。おかげでアップがだいぶ開いてしまった。

ゆびさきの潰す衝動桃を食む 桃の季節。桃は私が一番好きな果物。現代の桃は昔のような硬いハズレがなく、どの珠もするするとすべらかに薄皮が剥ける。皮を剥くときの、潰さぬようつるりと落とさぬよう、そっとホールドする緊張感が好きだ。

夏の日の潰れた苺香りけり 頂き物の苺のうち、硬くて青かったいくつかを持ち帰ったのを忘れていて、気がついたらかばんの中で潰れていた。甘酸っぱい苺のにおいと、腐敗臭がそこはかとなく混じったにおいがかばんについて、読んでいた本にも染み付いた。本の…

我の沼鯉も鯰もひつそりと 水辺のにおいがする季節になってきた。

麦笛や日射しの下にひとりきり 流石に日中は暑くなった。麦の収穫シーズン前一時の静けさ、というところか。

骨盤

惑星接近我が骨盤の軋む音 突然の腰痛に、出歩けず一日寝込んでしまった。以前もあったことで、持病と言うほどではないが、背中の筋が時々故障するらしい。おかげでずいぶんドラマのDVDを見てしまった。

顕微鏡

キルリアン顕微鏡店に射す西日 学生の頃は顕微鏡をよく使った。ずっと顕微鏡と無縁だったが、最近また使うことになった。ヤフオクでアンティーク扱いされているようなものを使うのである。