2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

麦刈り

今日刈りし麦藁の香に満ちる夕 麦刈りが始まった。麦刈りシーズンはほんの数日が勝負。幸いに天気は良さそうだ。一斉に行われる麦刈り、夕刻には麦藁の香りが漂ってくる。

しじみ

しじみひと椀夜風に酔気吐きにけり 札幌の大通り公園ビアガーデンが先週から始まった。友人達と繰り出し、喧噪に酔った後、日本酒のある店で二次会。肴も酒も揃っていて、なかなかの店であった。堪能。蜃(巨大はまぐり)の吐く蜃気楼程ではないが、蜆ほどに…

有夫恋

有夫恋の香立たしめてひとごみに 久しぶりに時実新子の「有夫恋」を手に取った。本の整理をしていたら棚の奥の方から出てきたのである。何とも不敬な話である。この句集が上梓され、一世を風靡した頃、あまりの凄さに仰け反って、自分の作品が実に薄っぺらく…

夏の真昼

遠ざかるあの日 midsummer highnoon 世間は夏休みモードに突入。夏は郷愁の季節である。

スベリヒユ 2

すべりひゆひねもす引きて君想ふ スベリヒユ抜きを一日中無心にやっていると、いろいろなことを考えてしまう。

スベリヒユ

すべりひゆ抜くきはの声聞けば死ぬ 今日はスベリヒユがどっさり生えている畑で草取りをした。スベリヒユは雑草だが、写真のように真っ赤ななまめかしい茎を持っている。血管のような茎が放射状に生え、草姿はヒトデかなにかのようである。また、多肉植物なの…

探す夢繰りかへし見る夏の闇 夢見が激しい方であるが、特に同じパターンの夢のバージョン違いを何度も見る。よく見るのが「必要な何かを必死で探しているのに見つからない」「その何かが必要な時刻が刻々と迫ってきて焦る」という夢。探すものやそれが何に必…

香水

香水で緑になれば触れ得る哉 蓼様のブログhttp://ameblo.jp/asap1956/の一周年記念句会にハイビスカス(芙の英名)名で投句させて頂いた一句。香りのものが好きで、フレグランスもいくつか使っているが、グリーンノートは「気づかれたいけど意識されたくない…

麦畑

遠い夏呼ぶ声がして麦畑 すっかり色づいた麦畑。赤い罌粟の花が畑の隅に咲いていた。

葉 あるいは樹 どちらか一方しか見えぬ 樹を下から見上げると、幾重にも葉が重なっている。一枚の葉を見れば樹は見えない。樹を見ようとすると葉は全体の中に溶けてしまう。フラクタルな目眩を覚える一枚。

ラコステ

ラコステのひと親馬鹿と照れをりし とても子煩悩な知人が、「親馬鹿って笑われるかもしれないけど・・・」と前置きをして照れながらお子さんの話をされる。照れながらそれはそれは嬉しそうなので、「そぉっすかぁ〜」と聞いているこちらもつられて照れてしま…

カルマン渦

カルマン渦 掌に銀河ひとすくい お香が好きでよく焚く。伽羅や松など、和や緑の香りを特に好んでいる。立ち上るお香の煙を見ているのがまた好きで、一本分尽きるまで眺めてしまっていたりする。カルマン渦は流体力学用語で、一定方向に流れるものが何かにぶ…

どくだみ

どくだみの白襟清し湿宵 町中のブロック塀の際で見かけたドクダミの花。私はドクダミの花がとても好きだ。ピシッとアイロンをした白襟の、清楚なミッション系の女生徒のような佇まい。それなのに何とも可哀想な名前である。

朝風

刈草のあをき朝風にて目覚む 流石に暑いここ数日、窓を開けて寝ているが、明け方は涼しい風が吹き込んでくる。近所で雑草を刈ったらしく、青い匂いの涼風で目覚めると、気分だけは「高原リゾートの朝」という感じ。

夏休み

夏雲や水兵リーベぼくの船 今日はこの夏初めての夏らしい暑い一日だった。そういえばそろそろ学校は夏休みかしら。受験勉強のため、語呂合わせで元素記号を覚えたのも懐かしい夏の思い出。

麦 その弐

その髪に指を入れたし麦なびく 色づきつつある麦の穂波が風に吹かれる様は、さらさらの髪のよう。

大陸

西の果ての少女よ我は東から 数日前、フランスの少女二人が日本へ渡ろうと家出し、途中ポーランドまで来て保護されたという記事を見た。少女たちは日本の、アニメやマンガ文化に憧れていて、ユーラシアの東端まで陸路でゆけば、あとはちょっと船に乗れば日本…

ギガンジウム

山高帽のギガンヂウム浮遊中 通勤途中に通る道に、玄関先の小径にギガンジウムが並んで植わっている家がある。ギガンジウムは不思議な花だ。あんなに重たそうな花なのに、かなりの強風が吹いても倒れたりすることはないらしい。あのぷかぷか浮いているような…

月光の下にて麦の吐息かな 麦が少しずつ色づいてきた。麦の開花の頃には、青臭い香りが漂う。クローバーなどの花の香りと混然となり、夜風に漂うのである。

さくらんぼ

桜ん坊も我もつながりゆっさゆっさ 桜桃の季節。これは花桜の実。花桜とはいえ立派に小さな(?)さくらんぼで、いかにもおいしそうに見えるため、子供の頃、これでジャムを作ってみたことがあった。とても渋く、食べられたものではなかった。今なら酒に漬け…

葉の色

二色の葉もてそよぎし二心 アパートの前に植わっている灌木はこのように同じ樹に青い葉と赤い葉を付けている。何という樹なのか名前を知らないが。 追記:樹の名前がわかった。よく知っているはずの「ナナカマド」であった。人の背丈にも満たない若木なので…

ひとすぢの涙 熱奪ひつつ乾きけり やっと北海道の夏らしい気候になった。気温は高いが、湿度が低くからっとしているため、ちょっとした水分もひんやりと気化熱を奪いながら蒸発する。

まえをゆく風のをとこの風下で 仕事柄野男系の知人がたくさんいる。「男」より「漢」と書きたくなるような渋い方々である。

日長

ふらんすはあまりに遠く日長かな 十勝では快晴、爽やかな天気であった。水田も多い道央地帯に比べ、十勝の風景は欧州を思わせる。この場合フランスはパリなどではなく、陽光輝く南仏である。

紅輪蒲公英

あのひとの足踏みオルガン紅輪花 この時期に咲くコウリンタンポポという野草がある。鮮やかなオレンジ色で、小さなタンポポのような花である。十勝のとある芝地に群れて咲いていた。北海道に来て初めて見た花なのに、何故だか秋桜や立葵のようにひどく懐かし…