2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

スズメバチ怖し袈裟懸けの背の痛み 吟遊投句四句目。私は大概の虫も爬虫類も平気なのだが、刺したり咬んだりする危険な生き物には恐怖感がある。蜂は一度背中を刺されたことがあり、それ以来怖い。部屋に入ってきても皆平然とパソコンに向かって仕事をしてい…

蝋燭や己裏返るほど咳す 吟遊投句三句目。原句は「蝋灯己裏返るほど〜」であった。「蝋灯」だと暖かい感じがして咳とイメージが合わなかったかも知れない。 この句は昨年末に風邪を引いたときのもの。まだ後遺症の咳がわずかに残っている。 本日、「世界俳句…

蓮花は闇の迷路を内包す 吟遊投句二句目。夏石先生ご推察の通り、世界俳句協会大会の際、不忍池で出来た句である。9月にブログで既発表(http://d.hatena.ne.jp/alzira/20070927)。確か、ルーマニアのヴァシーレ・モルドヴァンさんと蓮の話をして、その時…

別れの話寒気緩みて軋む雪 吟遊句紹介に割り込み。今日は久しぶりに気温が零度以上に上昇、道路の雪が溶けた。これで夜冷え込むとブラックアイスバーンになって大変危ないことになる。

夕茜影の街にて蛸を買ふ やっと少し落ち着いた。気力が7割くらい復活。吟遊投句を振り返る気に。今日から一句ずつ紹介する。 これは夢に見た情景。塔のシルエット浮かぶ街角で、買い物をする夢。街は古びた煉瓦づくりで、ヨーロッパの街並みのよう。そこで…

気づかざる疵君につけ雪しずか いい気になってぺらぺらしゃべったことをあとで思い起こすと、なんて無神経なことを言ってしまったんだろうと落ち込むこと甚だしい。ああ、なんて無神経な、傲慢な、気遣いのないひとことを。

ひと椀の飯さりさりと紙の味 やっと炊事する気力がすこし。

黒真珠

雪上に吐く黒真珠三つ四つ 気分が重く、朝起きあがることも困難な日もある。吟遊来たのだが、投句の紹介はもう少し気持ちが上向いてから。

己が歯を噛み砕いては吹雪の野 多くの人が見る夢のようだが、歯を食いしばるとぼろぼろと砕けるのである。歯軋りがあるせいかもしれない。

氷点下20℃の夜や月しづく 寒波一過であるが、夜はまだ−10℃以下になる。日本酒だの白ワインだのをベランダで冷やしておくと、キンキンに冷える。過冷却の状態になるため、グラスに注ぐとその衝撃で水分が氷り、きらきらとした氷の結晶が浮いている酒になる…

雪の結晶 弐

雪の華みづのかたちのふしぎかな 前回夜撮影した雪の結晶の写真に反響があったので、昼にもっと綺麗に撮れないものかと試してみたが、かなり困難であることがわかった。まず、昼間の真っ白な雪の面ではデジカメがピントを合わせる対象を認識できないらしく、…

寒波

冬路を影剥がしつつ歩みけり 今朝は氷点下20℃まで下がった。ここ数日寒波で列島中寒いらしい。東京も初雪とのこと。 こういう日に限って朝起きたらストーブの灯油が切れていた。だが、湯たんぽと半天のおかげでそれほど寒くもなかった。湯たんぽはつくづく…

夢の君は我がもの砂時計ひかる 夢見が激しい波の頂上にいる。

おと

雪の音さらさらきらりしんきらり 今日もしづかな雪。次の歌は、私が短歌を、やがて俳句をつくるようになる原点のような一首。春の歌だが、「しんきらり」の凛とした響きは、静かな雪の夜にも通じる。 しんきらりと鬼は見たりし菜の花の間に蒼きにんげんの耳 …

娼婦と鯨

娼婦と鯨紺碧の海にただふたり 「娼婦と鯨」という映画のDVDを観た。とてもよかった。病に冒された女性作家が、編集者から渡された数通の古い手紙がきっかけで、その手紙の差出人であるカメラマンと、宛先である女性の生き様を探ってゆくという物語。アルゼ…

雪の結晶

雪の結晶くるくる回りおりてくる 昨日から冷え込みがきつくなってきた。今日は、日中でも気温が低く、無風で静かな降雪のため、雪の結晶がそのままの形で降ってきた。写真で、六花の形そのままで積もっているのがおわかり頂けるだろうか。こういう日は積もっ…

海流

海流の中のにほんごフナイ旅 昨日の日記に書いた「日本語の源流を求めて」によれば、紀元前十世紀頃タミル人が稲作などの文明と供に北九州に到来し、それを受け入れたことにより弥生時代が始まったとされる。ではそれ以前はといえば、いくつかの根拠から、西…

源流

源流に立てば遙かなる海と俳句 苫小牧でフェリーを下りてから、連絡の汽車まで時間ができてしまったので、駅前の書店で適当に新書を見繕って喫茶店に入った。その時、たまたま目について選んだのが大野晋著「日本語の源流を求めて」であった。ところが、これ…

揺れる

釣られ魚の釣られ心地やゆらゆらり 明日、また帰りの船に。現実に戻るのにまた船が必要。

黴臭き講堂の塵歩く樹々 初夢は学校の夢だった。大学の構内のようなところで席を奪い合っている。私と席を争ったのは小学校の頃の同級生の女の子。小学校以来会っていない子だが、夢に出てきた。

元日や鯛焼き四尾もちかえる 最近はどこのスーパーも一日から営業。今日もなかなかの人出であった。鯛焼きが急に食べたくなって、衝動買いした。一匹ずつ焼く「天然もの」ではなく、何匹も一度に焼かれる「養殖もの」の鯛焼きであるが、めで鯛ものということ…