海流

海流の中のにほんごフナイ旅


  昨日の日記に書いた「日本語の源流を求めて」によれば、紀元前十世紀頃タミル人が稲作などの文明と供に北九州に到来し、それを受け入れたことにより弥生時代が始まったとされる。ではそれ以前はといえば、いくつかの根拠から、西日本に関しては、ポリネシア系の言葉が存在した可能性があるという。ポリネシアは高度な航海術を持つ海の民であることが知られている。一方、東日本は、アイヌ語の影響が色濃く残っているという。アイヌ縄文人に発すると考えられているが、元々縄文人黒潮に乗って南方から来たのが始祖であるとの説がある。そこへ南インドからアジア東端までも旅する海洋民族古代タミルがやってくる。大国中国の影響を強く受けながらも、海をこえてきた言葉は受け継がれてゆき、近世になれば大航海時代の船乗り達が次々と現れ、カルタや、カステラ、コンペイトウといった言葉を残していく。こうしてみると、いわば「海流の中の日本語」とでも言うべきダイナミズムを持ってその歴史が迫ってくるのである。