2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

書物

革の書を開き彗星を受け止める 書物マニアではないが、その気はあると思う。集め出したらきりがない世界なので、深みにはまらないようにしている。なので、こんな本に出会ってしまうと危険なのだ。 千歳空港の書店で、機内で読む手軽な本を探していてたまた…

頭痛

本閉じて頭痛の片鱗栞とす 頭が痛い。喉も少し痛い。軽く風邪を引いたようだ。今日、出張で移動する車の足元がひどく寒くて、足がすっかり冷えてしまった。きっとそのせいだ。 吟遊41号掲載の鎌倉佐弓さんの句に唸る。なにげない題材であるが、こういう句は…

金星

金星朔日空の深さを畏れけり 週末は大荒れ大雪だったが、週明けの今日は快晴。夜も天気が良く、星がよく見えた。ここ数日はびっくりするほど金星が大きくて眩しい。じっと見ていると動かないので星とわかるものの、一見飛行機かはたまた未確認飛行物体かとい…

大雪

雪つぶてひとつひとつに鬼の貌 きわめて局所的に大雪である。吹雪ではないのだが、雪の「土砂降り」という感じ。車で30分の近隣の街に行って、そこでは晴れていたのに帰ってきたらこのありさま。こんな土砂雪は久しぶり、せっかくだからと雪つぶてが向かって…

吟遊投句

無花果の座標を目指せど迷ふ秋野 ちちふさに絶対零度の影と空ろ ちちふさを揺すればカラカラ月の石 双魚宮を躍ぶコペルニクスの頭蓋骨 きりもみに疲れた矢印散つてゐる 吟遊41号の俳句ギャラリーに投句し、上の5句が掲載された。今回はお疲れモード&煮詰ま…

スパンコール

空色に銀のスパンコール夜明けかな 華やかな舞台衣装には感傷を覚える。子供の頃、人並みにお姫様ドレスやバレエの衣装に憧れたのを思い出すからだろう。今でも実はレースだのラインストーンだのサテンの布地だのが好きだったりする。自分に似合わないので買…

コルテオ

道化師と天使と馬 砂漠をゆく シルク・ドゥ・ソレイユの「コルテオ」を観に行った。「ZED」の感動ふたたびである。今回も期待以上、素晴らしかった。 ZEDがオリエンタルな舞台だったのに対し、コルテオは古典的なヨーロッパの雰囲気で統一され、音楽もロマ風…

バレンタインデー

情人節きらめく街の上に月 この週末は東京へ。週前半行ってきたばかりだが、今回はプライベート。東京行きの目的とは関係ないのだが、今日はバレンタインなので、句にしてみる。いつの間にか季語化しているバレンタインデーはフルで使うと長いし、軽い感じが…

世界俳句2009

春の街潜水艦に君と乗る Spring town I'm boarding a submarine with you 蓮花は闇の迷路を内包す Lotus flower including a dark labyrinth 万華鏡のなかに君の指の骨 Some pieces of your finger bone in a kaleidoscope 世界俳句2009が届いた。今年はこの…

夢魔

胸に乗る夢魔の重みや三日月夜 どうも眠くてしかたがない。ワインをグラスに一二杯、それでもう垂直に眠りに落ちそうになる。それでいて眠りが浅く、夢見は激しい。