コルテオ

alzira2009-02-15

道化師と天使と馬 砂漠をゆく


  シルク・ドゥ・ソレイユの「コルテオ」を観に行った。「ZED」の感動ふたたびである。今回も期待以上、素晴らしかった。
  ZEDがオリエンタルな舞台だったのに対し、コルテオは古典的なヨーロッパの雰囲気で統一され、音楽もロマ風。私たちが持っている「サーカス」のイメージに少し近い。だがその芸術的完成度は極めて高く、ルネッサンスバロック絵画を思わせる。シャンデリアに女性が掴まって回転するシーンは鳥肌ものの美しさであるし、煙るようなスクリーン越しにベージュの羽衣を纏ったアーティストが見せるアクロバットは、ヨーロッパの教会に描かれている天井画がCGのように生きて動いているかのようだ。そして、クリスマスカードか、絵本から抜け出てきたような天使がたびたび天井から浮遊する。いろいろな登場人物が楽隊のように列になって現れるシーンでは、サントリーローヤルの古いCMを思い出した。あれは、詩人アルチュール・ランボオが、サーカスの芸人を引き連れて砂漠を旅するというものだった。
  言葉をいくら尽くしても、この舞台の素晴らしさは語れない。観て頂くしかない。5月までは東京で、その後各地を廻るそうである。
  コルテオの小屋は原宿に掛かっている。見終わってから、原宿駅前の「デメル」で、今日の気分にぴったりのチョコレートを見つけ、一つ買った。