2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

麦 弐

自ずから枯れゆく麦の穂の五億 麦などの作物は、一定の生育期間を経ると自動的に枯れる性質を持っている。枯れるとは乃ち実を熟させ、種を完成させてその世代は死んでゆくということである。緯度の高い寒冷地や高度乾燥地帯など、厳しい環境に生きる植物達の…

耳をすませば微かに麦の熟すおと 麦が色づいてきた。色づき始めてからの麦は日に日に色が黄色くなってくる。朝と夕で違いがわかるほどである。

快晴の丘果てるまで墓の列 自らの開墾した土地に埋もれる人々がいる。映画「ひまわり」のシーンのように、故郷から遠い異国で戦火に果てた人々の墓と、対極にあるように見えながらそこに漂うものは共通するような気がする。

かじき座

かじき座にいざ舵を向けん夏至祭 かじき座に惑星が見つかったというニュースを見た。太陽系に似た恒星系を探査しているのだという。

夏至

夏至の真昼花野に影を置ゐてくる 夏至の頃である。日がとても長いため、5時6時はまだ昼間という感じ。近所に、毎年帰化植物のマーガレットとルピナスが凄い処がある。今満開なので見に行ってきた。アカシアも咲いているので空気が爽やかな花の香りに満ちて…

オバQ

押し入れの冒険オバケのQ太郎 林望の新書「リンボウ先生偏屈読書録」(丸善ライブラリ−)を読んでいる。著者が独断と偏見で選んだ本の書評を集めたものであるが、なかなか面白い。その中に、「しずかチャンの愚かさ 天野祐吉著『テレビは嘘が嫌い』」という…

蜘蛛

高度2万μmのしたに宇宙 今日のような雨時々曇りの日には、つくったばかりの畑の地面に霞のように光るものがたくさん現れる。小さな蜘蛛が、土の表面に巣を張っており、それに露が付いて光って見えるのである。何という蜘蛛だか知らないのだが、写真に写すこ…

本棚の本の隙間を覗く鬼 図書館の、大きな本の隙間から何か覗きそうでドキドキする。

径すべてどこかへ続いてゐる夏野 行き先を知らない道路を見ると気になって、次に通りがかったとき、あるいは時間に余裕があるときには通ってみるという人がいる。私もそのクチで、その行為に大いに賛同したことであった。だた、そういった道の知識を、秘伝の…

勿忘草

いちめんのわすれな草を摘み尽くす 今年はわすれな草が凄い。道ばたが真っ青になるくらい咲いている。

テレビ

天の川揺らす電波の藍の色 一年で一番忙しい山場がやっと過ぎ、ちょっと一息というか抜け殻しているところである。 テレビの電波は永遠に宇宙を彷徨い、どこかで宇宙人がそれをキャッチし、地球の番組を視聴することがあるかも知れない、というような話を聞…

風止まぬ風の地にそびら並べをり 私の住むところは風の通り道、特に午後過ぎには旗がまっすぐ横を向く程の風になる。強風の中の外仕事、もう慣れてしまった。

飛行機雲

焦がれてもひこうき雲の高みかな やっと夏らしい天気が戻ってきた。今日は久しぶりにピーカンの下外仕事。体が寒い曇天に適応してしまっていたのか、やたらと眼や喉が渇く。