径すべてどこかへ続いてゐる夏野


  行き先を知らない道路を見ると気になって、次に通りがかったとき、あるいは時間に余裕があるときには通ってみるという人がいる。私もそのクチで、その行為に大いに賛同したことであった。だた、そういった道の知識を、秘伝の裏道という財産にしているその人と私の違いは、一度通っただけではなかなか覚えられないことである。