睡蓮

ウォーターリリーといふ名のボート朽ちゆけり


  映画「エコール」を見ていて、アガサ・クリスティの「親指のうずき」を思い出した。こちらは少女の学校とは対照の極みにある養老院が舞台。おしどり夫婦探偵トミーとタペンスものである。二人はある日養老院にいる伯母を見舞いに行く。すると、そこの入居者である少し惚け気味の老女に、「あの暖炉の奥に埋まっているのはあなたのお子さんなの?」と聞かれるのだ。怖い!クリスティは怪奇小説も書き、このような少し怖い話が時々ある。ちなみにその後二人が再び訪れると、その老女は既に退去しており、ある理由から二人がその老女の消息を追おうとすると、途中で手がかりがふっつり途絶えてしまう。老女は何者なのか?この句と何の関係が、と思う方は読まれたし。