雨の化石

雨の化石風の化石を探すひと


he is a miner
digging
fossilized raindrops or wind


  小川洋子の新刊小説「最果てアーケード」とエッセイ集「とにかく散歩いたしましょう」を読了。義眼屋、ドアノブ店、完璧な円でないと売らないドーナツ屋・・・。不思議な店舗が集まるアーケード。
最果てアーケード
とにかく散歩いたしましょう
  そのインスピレーションの元の一つに「夜にも奇妙な職業案内」という小さな写真集があるとエッセイで紹介されている。早速、アマゾンで買ってみた。某デオドラントスプレーのCMに登場するにおい鑑定人の老婦人が表紙の本書、小説より奇なりとうなってしまう。ポテトチップ検査士、ビンゴ読み上げ人、ゴルフボール・ダイバー、ミミズ農場主・・・。これがまたみんな味のある顔立ち。小川洋子さんが触発されるのもうなずける。
世にも奇妙な職業案内
  小川さんは科学の研究者にも同じ眼差しを向ける。研究者にとって研究対象や手法は、あくまで職業上の散文的対象であり手段。だが、こんな風に書いてみたらどうだろう。いずれも実在の研究。


桃花粉蒐集人
遺伝子地図編集者
宇宙天気予報
文鳥囀翻訳家
刺す虫の痛み鑑定士
雨滴化石採掘人
アリの巣パタンナー