この俳2012 第壱位

空蝉が籠もりし聴力検査室


 そして、私的「この俳人がスゴイ!2012」第1位は、この人、金原まさ子さん!句集「遊戯の家」を取り寄せて、グッと来た句のページをドッグイヤしながら読んでいたら、ほぼ毎ページ折ることになり、意味ない!と止めたくらいである。この方の俳句が本当にスゴイ!なんと御年101歳である。このブログにほぼ毎日俳句が更新されていて、こんこんと湧いているらしい瑞々しい感性に驚きを禁じ得ない。
http://sea.ap.teacup.com/masakonn/
 俳句の先輩Hさんに紹介いただいたのだが、その時、昨日記載の八田木枯さんといい、年配の俳人に、こういう剥き出し感があって綺麗にまとめない、迸るものを感じる句を作る方がいますよね、と話したことであった。


真空に入り揚雲雀こなごな
魂売ります紅梅が添えてある
牛蛇よわが首筋でくつろぐな 
九階角部屋人語を話す椿住む
空蝉にガラスの座棺特注す
釘箱にサングラス入れたのは誰
合歓ねむたくてどの窓も嵌めころし
歯形涼しくて上腕二頭筋
香ばしき桜毛虫を焼きいたり
放蕩や蛍を揉んでもみころす       「遊戯の家」金原まさ子