羽化までの一時硝子体の蟲


  飛蚊症という症状が、数週間前から出ている。右の眉の上あたり、小さな黒い虫のようなものが浮かんでいる。夏になるとよく目の回りをうるさく飛ぶ羽虫がいるが、そんな感じでうっとうしい。見つめようとすると逃げてしまい、視線をはずして忘れようとするとまた現れる。心配になって眼科へ行ったがよくあることです、なんともないという。
  昨夜、「蟲師」という映画のDVDを観た。オダギリジョー主演で、蟲師のギンコに雰囲気はぴったりはまっていたが、映画は正直言ってあまり面白くなかった。原作のコミックを読んでいないと話の展開が全くわからないのだ。まあそれはいいとして、劇中に「常闇」という蟲が登場する。ピロピロとヒジキのようなものが舞い泳ぎ、時には文字となって紙や壁を這い回ったりする。それを見て、ああ、これこれ、こんなのが今目玉にいるのよ、と思った。