世界俳句2008

alzira2008-02-09

春嵐や蝙蝠の屍累々と

A spring storm
has left bats' carcasses
in heaps on the floor


薬指の爪ほどの影しじみ

Blue butterfly
its shadow looks like
the nail of my ring finger


静けさや森煌々として聖夜

Silence−
the forest twinkling
in the holy night


  世界俳句2008、第4号届く。世界俳句には今回初めて投稿し、上の三句が掲載された。英語訳は夏石番矢先生はじめ翻訳スタッフの方々がつけて下さった。先生、スタッフの方々には深く感謝。
  こうして自分の句の英語訳をみると、日本語とはまた違った詩情が立ちのぼってくるのに驚く。特に二句目は、英語訳の方がずっと艶めかしく、香水が薫り立つように官能的だ。三句目の訳も素晴らしい。インスパイヤのもととなった「Christmas in the silent forest」とも呼応する詩韻である。
  俳句の英語訳は難しい。他の句でトライしてみて実感したが、散文の英語訳とは全く異なる難しさである。私の半端な表現力では、「in heaps on the floor」なんて、絶対に思いつかない。次回は英語訳をつけたいと思うが、散文的な訳になってしまいそうな気がする。