木星より

  ホルストの「木星」に歌詞を付けたら、声楽を習っている妹が発表会で歌ってくれた。その時点で2番までしかできておらず、少々短すぎるとのことで3番を所望されていたのだが、作ろうと思うとなかなかできなくて、間に合わなかった。このほどようやく納得できる歌詞が完成したので、アップする。


木星より」   
作詞 芙美子
作曲 ホルスト


遙かなる時の彼方より
海の道山の道辿り来し
我らが祖先の血の証し
我らの内に息づきぬ


たゆまず歩め 孤独なときも
細く小さき流れなれど
山を下りて集まりて
大河となりて海へ注がん


かけがえのない人の手をとり
未来への道へ踏み出さん


我らもいつの日か土に還り
受け継ぐものたちへ舵を譲る
   そして遙か遠く時の果てに
   久遠の海へと船を出す
船は嵐に揉まれても
この命の輪は永遠に続く


かけがえのない君と共に
未来への道へ踏み出さん


  2年ほど前の大晦日に書店に行ったら、少年合唱でアレンジした「木星」が延々とかかっていて、頭の中を旋律がぐるぐるしていた。家に帰り、NHKで「地球大進化」の総集編をやっていたので、酒を飲みながら見ていたら、この詩ができた。
  「地球大進化」によれば、地球はその歴史の中で、様々な要因により灼熱の火の玉になったり極寒の氷の玉になったりし、その度に生物のほとんどが絶滅した。しかし地下の奥深くのどこかに微生物が生き残っていて、それが再び進化を繰り返し、現在に至っているのだという。だとすれば、いつか太陽が寿命を迎えて爆発し、太陽系が消滅しても、地球の破片のどこかに生物が生き残って、それが宇宙を旅し、次の地球のような星にたどり着いて、そこでの生命の素になるかも知れない。ひょっとして、地球の生命も、宇宙のどこかで生命が繁栄し滅びた星系のかけらに乗っていた生物が地球に降ってきて、最初の生命になったのかも知れない。そう思うと、生命は地球のスケールを越えた壮大な旅をしていることになる。そんなイメージが、この詩につながった。