シリウスB

愛憎のゆらぎシリウスBの詩


  シリウスBはシリウスの伴星で白色矮星である。白色矮星は星の進化の過程の一状態で、比重と重力が非常に大きく、太陽も50億年ほど経てばこのような星になると言われている。シリウスBはシリウスと同じ質量を持ちながら地球の2倍ほどの小ささで、重力は地球の11万倍もあり、物質は物理的限界まで圧縮されていることから、炭素が巨大なダイヤモンドとなって存在するという説もある。尤も、猛烈な重力のため採りに近づくことはできないのだが。
  また、肉眼ではシリウスの光量にかくれて見えないはずのこの星がアフリカのドゴン族の伝説に登場し、シリウス・ミステリーとしても話題になった。
  夜空にひときわまばゆいシリウスにつきそうシリウスB。暗く、小さいながら巨大な質量と重力を持ち、採ることのできないダイヤモンドの山を秘めている。人間はつい、シリウス本星との愛憎の物語を作ってしまいたくなる。