silencio

alzira2008-05-26

silencio- 街の裂け目に叫び


  ペドロ・アズナールといえば、日本では元パット・メセニー・グループ(PMG)の一員としての方がよく知られているだろう。かくいう私も初めてその歌声を聴いたのはPMGのアルバム「ファースト・サークル」においてであった。しかし故国アルゼンチンでは著名な歌手であり、CDも数枚出している。PMGの時は「天使の歌声」などと言われたピュア・ヴォイスが、ソロアルバムではピュアながら骨太でソウルフルだ。特に今回聴いた「David y Goliath」収録の「silencio」は短調のどこか民謡のようなアカペラで歌われ、魂に直撃の曲である。スペイン語なので意味はよく解らないが、何らかの哀しみを切々と謡ったものと想像する。聴いていると目頭が熱くなってくるからである。韻に「rojo silencio」「negro silencio」「plata silencio」「blanco silencio」と、silencio(静寂)が繰り返される。赤い静けさ、黒い静けさ、銀の静けさ、白い静けさ。