エレベーター

硝子のエレベーターに乗ればすべて下り


all glass elevator
I took
are to down


  この週末は「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ製作・監督作品をいくつか観た。
  まず、「永遠のこどもたち」。これは製作としての関わりだが、どちらかといえば「パンズ」に近い、海辺の孤児院が舞台のシリアスでスピリチュアルな作品だった。そして、「パンズ」のときもそうだったが、とても切ない終わり方に一抹の違和感を感じてしまうのは、宗教観の違いなのだろうか、とそんなことも考えさせられる。
  次に、「ヘルボーイ」「ヘルボーイ2・ゴールデンアーミー」のシリーズ2作。アメコミ原作なのでこちらはぐっと娯楽よりであるが、キャラクターデザインや美術にギレルモ独特の世界観が盛り込まれ、特に「ヘルボーイ2」では、古代ケルトの雰囲気が漂うベツムーラ王国や、トロール市場のシーンなどでどっぷりギレルモ・ワールドが楽しめる(ベツムーラ王国の侍従はパンズのペイルマンにそっくり!)。これだけはアメコミそのままの主人公が浮いて見えるくらいだ(相撲取り髷がどうも笑ってしまうし)。また、これはもしや宮崎アニメの影響?などと思ってしまう場面もあったりと、西洋色だけではない複雑な雰囲気になっている。
  願わくば次はフェアリーテイルなどをモチーフにした純粋ファンタジーを観てみたいものだ。スペイン戦争時代を舞台にした企画があるらしい。楽しみだ。