書を読む

涼しげに書を読むをとこ良かりけり
たおやかに書を読むをんな良かりけり



  所用で東京へ。酷暑!暑かったな〜
  乗ろうとした地下鉄で、近くに並んでいる人が一人残らずうつむいてスマホをいじっている。ちょっと異様な光景だった。ええいどうせ自分はガラケーだよ、と、電車に乗って読み途中のポケミスを開いてしばらくして顔を上げると、少ないが文庫本を開いている人がちらほら目に入る。本好きは、本を読んでいるだけでその人に対する好感度五割増しになるのだが、スマホ軍団に囲まれた中では同士のような気に。目の前の若くてかわいい女性が読んでいるのは有川浩の小説だろうか。あちらのたおやかな雰囲気の大人女性は歴史物かな。なにを読んでいるのかつい思い巡らせてしまう。
  場面変わって帰りの飛行機の中。手持ちの本を読んでしまい手持ちぶさただった私は周囲を観察。航空機内は携帯禁止のため、当然スマホをいじる人はおらず読書率高し。平日のためかスーツ姿のビジネスマンばかり。斜め三つほど前の席の若い男性が、何か本を読みふけっている。時々髪をかきあげながら、一心不乱である。あとでちらっと見えたのは、面涼しげなる眼鏡男子だった。
  一対の浮世絵にしてみたくなった。