凝る

ちちふさにゆき処なく凝りけり
they gathered to my breasts
and became stiff
without bursting


  「かぐや姫の物語」を観てきた。和絵本タッチの画像がとても美しかった。だが結構苦い話だ。姫が月へ帰ってしまった後の、翁の後悔が見えるからである。都へなど来ずに、山で素朴な暮らしを続けていたら、ずっと姫と幸せに暮らすことが出来たのではないか、という後悔だ。だが、そもそも都へ来て、姫に高貴な暮らしをさせようとしたのは、天が振り落とした黄金や錦があったから。つまり、このような結末になるように誘導され、天から仕向けられたとも読める。
  「竹取物語」にとても忠実に、でも単なるリメイクではなく、人の心の弱さや浅はかさ、一方でそれを愛おしむ心といったより複雑な物語にしているのは流石である。