桜守

春霞たなびく国の桜守


  東京は桜満開とのこと。先週の朝のニュースで、桜守と呼ばれる人のことを紹介していた。京都の老舗造園業、十六代佐野藤右衛門氏のことである。南は沖縄から北は北海道まで、各地の桜を訪ねて歩き、痛んでいるものは治し、滅びそうなものは増殖して守っている。奥さんと息ぴったりに接ぎ木作業をする様は、昔話に出てくるおじいさんとおばあさんのようだった。やりきれないニュースばかりの中、こんな人の話を聞くとほっとする。