瓦礫の下より少年の蝶舞ひにけり


  能登半島地震から一週間が経った。テレビのニュースでの映像。母親と一緒に倒壊した自宅を見に行った少年が、飼っていた蝶を探し、瓦礫の下からそれを見つけた。蝶は少年の手にそっと乗せられ、かすかに羽を動かした。少年がその蝶を逃がすと、やがて元気に羽ばたいて、倒壊した瓦屋根の軒先を越え、空に飛んでいった。

  被災された方々には心からお見舞い申し上げる。