根が歩く森にて蟇の引きずる道


through the forest
between trees walking on roots
trail a toad trailed


 「ブラザーズ・グリム」のDVDを見た。最近のギリアム監督作品は、「ローズ・イン・タイドランド」「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」などマニアックで難解路線を突き進んでいる感じがする。でもちょっと前の作品である「グリム」はやや娯楽寄り、ほどよい毒の効いたファンタジーに仕上がっていてよかった。
  グリム兄弟を主人公に、童話がモチーフとして散りばめられた冒険物語。木々が自在に根を蠢かせ歩き回る魔法の森に、蟲だの蟇蛙だの、おぞましくもどこか愛嬌のある生物がたくさん登場する。それにしても、グリム兄役マット・デイモンは「ボーン」とかより、「オーシャンズ」に通じるこんなトボけたキャラの方がはまるなあ。弟役ヒース・レジャーもこの作品でいい味出していたのに、夭折が惜しまれる。
  番矢先生の指摘を受けて改作。trailは引きずるという動詞と、動物などが歩いてつけた道という名詞の両方の意味がある。