私が占める私の体積のなかの私


the volume of mine
that I'm occupying
certatainly, it is me


  まどみちおさんの詩集「いわずにおれない」を買った。まどみちおさんは「ぞうさんぞうさんおはながながいのね」の歌で知られる作詞家であり詩人である。ひとつ、紹介する。
いわずにおれない (be文庫)


リンゴ       まど みちお


リンゴを ひとつ
ここに おくと


リンゴの
この 大きさは
この リンゴだけで
いっぱいだ


リンゴが ひとつ
ここに ある
ほかには
なんにも ない


ああ ここで
あることと
ないことが
まぶしいように
ぴったりだ


  とても理系魂にグッと来る詩だと思う。リンゴって何?どうしてリンゴはリンゴなの?ここにリンゴがあるってどういうこと?という疑問が、科学の出発点だから、まどさんの詩はそんな科学するココロの原点に触れてくるのである。ニュートンアインシュタインがリンゴをためすつがめつしているところにこの詩を吹き出しで付けたらぴったりだ。
  もうひとつ。ミミズのうたが特に好き。


けしつぶうた        まど みちお


ケムシ
さんぱつは きらい


ミミズ
シャツは ちきゅうです
ようふくは うちゅうです
−どちらも
 一まいきりですが


ノミ
あらわれる
ゆくえふめいに なるために


ワニ
かんがえている
かんたんに
うしろを むく ほうほうを