春の膝

蝶番職人の戸に春の膝


knockin' on
the hinge maker's door
by knee of Spring


  吟遊42号投句最後の一句。英訳最難関のこれが残ってしまった。この訳でいいのか自分でもわからない。
  この号に掲載のモンゴルのR・スチンチョクトさんの句がすばらしい。鳥肌ものである。いくつか紹介する。



暗夜を糸で縫う蜘蛛割れるのを恐れ

黙っているうちに蛇が耳から耳へ

入れ歯のような長城の向こうは石炭の海

行列から落ちる鳥の羽は空に

雲の隙間からこぼれ落ちる砂と滅亡        R・スチンチョクト「鶴」 和訳 富川力道