旗祭

alzira2010-11-02

旗祭


絶え間なく蛾の降る夜の旗祭
粉砂糖のごと百万の蛾のほくそ笑み
重き腹抱えて水銀灯に奔る  
蛾の腹のこぼれるほどの卵かな
掌の中で崩れるばかり山繭蛾
石畳に沓音赤い塔に月
手を合わせ掬うかたちのまま苔むす
扉ばかりの廊下 君の声を追う
ぽとりとひとつ月夜の道の手首かな


  いやぁ、かなりブログを休んでしまった。これまでで最長かもしれない。三週間ほど超多忙、吟遊最新号も、取り寄せた河野裕子さんの「葦舟」も、郵送されたまま封すら切らぬままだった。やっと、少し息がつける。今日は吟遊最新号の投稿句で復活の第一歩。
  タイトルの旗祭はイタリアの記憶から。北海道の夏の蛾の大量発生と二重露出に。