2008-01-01から1年間の記事一覧

秋は桃色夕ももいろのとおり雨 先日職場の飲み会があって、カラオケで八神純子の「みずいろの雨」を歌った。地声で歌うのが苦手な私にはこういう高音の曲の方がファルセットでいけるので歌いやすい。八神純子はこれを地声で歌っているわけだけれど。でもこん…

満月

ゆるやかに月へむかって上るみち 満月。昨日のおぼろな空とは違い、今日は雲一つなく、夜になったら快晴ならぬ快満月。こういう月はコンパクトカメラではただの大きな光の点になってしまい、いい風景写真になりにくい。代わりに昨日撮った地上の月光写真を。…

十六夜や不思議に月は懐かしき 今日は夜半天気がよく明日は満月とあって月がきれい。月がとっても青いから、というわけで今日は歩いて帰る。窓からちょっと見えたりするのと違い、大きな月から燦々と全身に月光を浴びていると何やらこみ上げてくるものがある…

時計

時溜まり時計技師ゐるそのあたり 某デパートの時計売り場に、電池の交換に行った。長く使っている腕時計があって、その電池交換の時、3年に一度ほどしか行かない時計の修理コーナーだが、ずっと同じ人だ。いつも黙って電池交換をする。宝飾品や高価な時計が…

船にゆられて船ゆれるたびひとを恋ふ デジカメの中身を整理していたら、9月に帰省したときフェリーから撮った三陸沖の写真が出てきた。切り立つような断崖絶壁。この距離からしてこの高さ、崖の上に行ったらさぞ目が眩むだろう。 このときは太平洋側にして…

プラタナス

プラタナスの葉ばかり積んでゆく車 夏の間に伸びた街路樹の枝を切っているらしい。こんな車とすれ違う。

雨あがりひとりにひとつずつの虹 大気が不安定な季節、雨が通っては日が射して虹がよく出る。 ダ・ビンチに連載中の小栗左多里「ダーリンの頭の中」今月の回は虹について、外国で虹は何色とされているか、というような話だった。また、虹というのは光のプリ…

唇の傷裂けるまま林檎食む 唇が乾いてひび割れができ、リップクリームが要るようになると本格的な秋が来た証拠。

海と蝶

韃靼は西1万km蝶渡る 先日紹介した「ポロシリ」の一首。 韃靼蕎麦食ひつつ思ふてふてふひらひら海渡る 訳 時田則雄「ポロシリ」 辻征夫にも、《 海峡 》という名の句がある。 《 蝶来タレリ! 》 韃靼ノ兵ドヨメキヌ 辻征夫「俳諧辻詩集」 海・海峡と蝶とい…

ポロシリ

この駅も反魂草に覆はれし 注文していた時田則雄の最新歌集「ポロシリ」が届いた。時田則雄氏は十勝にて畑作農家を営む歌人。本歌集は第九歌集であるが、これまでにも増して淡々と、時に灯台守日記のように、実務が織りなす詩情に溢れるものとなっている。 …

夏の邸宅

右脳を夏の館に忘れ来し 先日の夏休みに、東京都庭園美術館にて開かれ、絶賛を博している船越桂展「夏の邸宅」を見てきた。あいにくの雨だったが、おかげで最終日にもかかわらず空いており、翠滴る庭園を楽しむことができた。 元々個人の邸宅として造られた…

万華鏡

秋全て万華鏡のなかにあり 先日Bunkamuraで万華鏡の展示会に入ってみた。そこに展示されていたのは美術工芸品の域にある作家ものの素晴らしい作品ばかりで、覗き込むと中に魂が吸い込まれそうになり目眩を覚えるほどだった。もちろん値段も素晴らしく、ちょ…

秋深む破れ蛾今だ羽ぶきつも ここ数日急に寒くなってきた。朝夕はストーブをつけるかどうか迷うほど。一年で一生を終える生き物にも終わりが近づく。

ウミホタル

蛍の海銀河を割って進むごと この飛び石連休を利用して遅ればせながら夏休みをいただいている。フェリーで帰ってきたが、関東沖に近づくと船が立てる泡にウミホタルが反応してそれはそれは綺麗。雷雲で稲妻が光るような、オーロラのような淡い光である。

戻らぬつもり森の小径に踏み入れば 連休は友人と池田のコテージへ。朝散策路を一巡り。草に埋もれかけてあまり人が通っていないような道ほど、入ってみたくなる習性がある。

夏の風を追い越して逢いにゆく秋 連休は好天。風も爽やかだった。車で十勝まで。

駒ヶ岳

風跡の留めをつくらず雲と山 先日仕事で道南へ行ったときの駒ヶ岳。あまりの美しさに思わずぱちり。森町から見るこの角度からのアングルは珍しいとのこと。

月光やあなたの耳を見失い 秋は耳の季節。私にとっては。

ひつじ雲

失われし土地の数々ひつじ雲 秋らしいひつじ雲の季節。晴れたり曇ったりも忙しくなる。

日長

闇勝る季節になりて鳥の列 仕事で道南の方へ三日ほど行ってきた。椋鳥が何十羽いるのか何百羽いるのか、電線に何百メートルも連なって留まっていた。車に乗っていたので写真に撮れなかったが、かなりの迫力だった。

明け方にうなされている家の夢 館ものの悪夢。蒸して寝苦しいせいだろうか。

蜘蛛

しづかなる蜘蛛の食事や夏の夕 職場の建物の出入り口に、蜘蛛が住み着いている。昼間はどこか影に隠れているらしく、朝出勤してくるときには姿が見えないのだが、夜帰る頃になると上の方の決まった場所に巣を張って、蛾だの羽虫だのを食べている。すぐ近くに…

骸骨

骸骨嗤ふジャングルジムのてっぺんで 先月国立新美術館に行ったときミュージアムショップで買った手ぬぐい。建物も斬新なデザインだが、ショップも面白い。

甘藍

西風やきゃべつ畑の金と銀 夕陽の美しさは撮っても撮っても飽きない。ブロッコリーの黒光りする葉に反射してまた美しい。

羽蟻

夏空に蜘蛛いっぴきと蟻五億 今年も羽蟻の季節。毎年決まって同じ建物の同じ場所から湧いてくるのはなぜだろう。今年は羽蟻目当ての蜘蛛もいた。

野菊

今年もまた野菊の季節巡り来る 一週間激的な忙しさで、アップが滞った。最近こういうことが多い。とんぼ返りの関西出張から帰ってきたら北海道は一気に秋突入。日も短くなった。

日焼け 弐

夏の陽に己を焼ひて影の濃さ 今日もベランダにチェアーを引っ張り出して日光浴。気持ちよい。サングラスをしているが、室内にはいると一瞬何も見えなくなるほど中が暗い。

ビール

眩しさにまひにちすこし酔つてゐる 今日もビールのロング缶。先週からずっと燦々とした夏の日射し。わりと乾燥しているので喉がビールを欲することこの上ない。めいっぱい働いたから自分にご褒美と称して毎日ついつい呑んでしまう。まあ酒飲みなんて、夏の日…

日焼け

腕と脚と胸焦げてゐる一人の日 今日は少し肌寒いほど涼しい。ここ数日は日射しが強くても風が涼しく、土日あたりは心地よかった。日曜は安売りのアウトドア仕様折りたたみ椅子を買ってベランダで日光浴をしたが、あまりの気持ちよさにうとうと、もう動きたく…

罪悪の数の石積む夏至祭 迷いつつ、自らの過ちを自分にあえて突きつける。そんなこともある。