2014-01-01から1年間の記事一覧

再起動

蛇の艶脱ぎ棄て小夜の更けにけり stripping my shiny skin like snake the night advances 何と二ヶ月も休止してしまった。三月から引越、新しい職場での仕事等々、目まぐるしく気がつけばもう五月も終盤である。 あまりの多忙さに感性が擦り切れたのか、句…

長廊下

長廊下君の肖像だけが空 額縁シリーズ。

額縁

白壁に額縁ばかり千枚も thousands of empty frames on the white wall ルーブル美術館の特集番組で、額縁の研究家と額縁ばかりが収蔵されている倉庫が紹介されていた。額縁しかない美術館というシュールなイメージが思い浮かんだ。

震災忌

宴はねて雪ちりぢりに震災忌 a party has finished snowflakes were dancing at the night of memorial day of The Great East Japan Earthquake 今日は震災忌。取り紛れそうになる自分の罪悪感と、忘れてはいけないと思う気持ち。

恋文

すず川の雪解け水の流し文 一昨日の句を少し古風版に。架空の川の、流し雛のような架空の風習を想像してみた。鈴川は実在するらしいけど、鈴虫寺からイメージした架空の川。

裁断片

愛すべて裁断片となりにけり all of love became shredded dust 押し入れを整理して古い明細やら何やらの書類をシュレッダーする。古い手紙が出てきた。高校くらいの頃からのである。昔はこんなに文章を手書きで書いていたんだなと、驚く。今はパソコンでメ…

結晶

結晶夜おまへの残滓降りくるを the night snow crystal fall like your residue 少し暖かくなってくるこの時期。日中は零度近くまで暖かいが夜は冷え込むような時は、雪が結晶となって降ってくる。厳冬期より結晶が大きくて、本当に、あの雪の結晶の形をして…

跳ぶ

天体をまわす力をもて跳べり she jumped up by the force spin a orb 跳ぶたびに銀河をすこし回しけり spining the Galaxy a bit every time she jump up 浅田真央すごい!

男子フィギア

漆黒の銀河を背負ふをとこかな the man carrying the dark Galaxy on his back ニュースやハイライトで先に結果は見ていたが、録画した試合は少しずつ細切れにしか見られなくて、やっと羽生選手の演技まで来た。高橋大輔はまでまだもうちょっとある。 ショー…

火星

君が下より火星を見上ぐ春の宵 lookinf up Mars beyond your shoulder in the early spring night 少しずつ日足が長くなってきている。夕方四時まだ明るい。

接吻

接吻のふたりに牡丹雪積もる flowery flakes of snow fall on kissing lovers 北海道は今日少し寒さが緩んだ。大きめの雪片が舞う。

寒卵

寒卵君の孤独を癒やせない breaking eggs i felt impatient i can't heal your lonliness 昨日の歌の俳句版。寒卵は英語訳困難なので、卵割る、とする。

朗らかなるいつもの君の奥に棲む孤独を見たり 雪降りやまず 引き続き最強寒気流入、この周囲も二十度弱(マイナスは省くのが北海道流)。今日は短歌で。どうしても短歌でないと表現できないこともある。

君が夢に花をなげいれたく候 i wanna throw a flower of rose into your dream 列島中が寒かった。所用で関東に行って、都心からの電車で居眠りして目が覚めたら雪景色で、「ん?北海道?」と一瞬自分がどこに居るかわからなかったほど。関東は暖房もやや抑…

モーツァルト

宇宙は数式とト短調に満ちをり universe are full of numerical formulas and musics G minor 今日はモーツァルトの誕生日。 ここのところのねこ様の句もスゴイけど、添えられる絵のセレクションもいい。管理人様のセンスにも脱帽である。http://sea.ap.teac…

砂時計 弐

砂時計いま落ち終はるいま終はる the fall of sands in sandgrass is finishing now, right now 時実新子の自伝小説「小説 新子」を読んでいる。川柳の作風そのままの、激しい自分と人生を吐露するような自伝である。 この本で知ったのだが、時実さんは川柳…

しんきらりと紙に斬られしくすり指 swishingly and flashingly the edge of paper cut my ring finger しんきらりと鬼は見たりし菜の花の間に蒼きにんげんの耳 河野裕子「ひるがほ」 河野裕子さんの歌の本歌取りで。「しんきらり」このことばは河野さんのも…

砂時計

砂時計の砂降りやまぬ夜更けかな the sands of sandglass fall without stopping in the dead of night 安野光雅のエッセイ「空想工房」に、砂時計のことが出てくる。遙か未来に、何もかもが滅びたあと、砂の崩れる音がする。砂時計の砂である、という一節だ…

海鼠

干し海鼠に熨斗かけてゐる一人部屋 gift-wrapping dried sea cucumbers in the room alone 今日のねこ様の句、スゴイ。このシュールさ。 http://sea.ap.teacup.com/applet/masakonn/20140113/archive

跨がりて鞭あて初むる夜明けかな riding and touching the horse with the first whip at dawn 年明け以降目まぐるしい。雪も多い。 久しぶりに書店に行って、立原道造の詩集を買った。昭和初期の詩人、今まであまり知らなかったが、とても惹かれる。 脳髄の…

眼裏にいつも一頭の馬がゐる there is a horse always in my mind 謹賀新年 弐〇壱四 平成弐六年 皆様明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。